iPhone7が発する電波の強さは基準値を超えている?米紙が主張

iPhone7 Apple

iPhone7 Apple
 
米日刊紙Chicago Tribuneは、スマートフォン11機種の電波の強さを測定した結果、複数のiPhone、特にiPhone7が発する電波の強さが、米国で安全と定められた基準値を超えていることがわかったと報じています。

iPhoneを含む11機種の電波を測定

同紙は4機種のiPhone(iPhone7/8/8 Plus/X)、3機種のSamsung Galaxy(Galaxy S8/S9/J3)、3機種のMotorola Moto(Moto e5/e5 Play/g6 Play)、1機種のBLUのVivo(Vivo 5 Mini)を用い(iPhone7のみ4台、他すべては1台ずつ)、米連邦通信委員会(FCC)が認可した実験施設RF Exposureにおいて、2018年8月および10月に測定を行いました。
 
Chicago Tribuneによれば、複数回数測定を行った結果、iPhone7の電波の強さは基準値を大幅に上回り、その数値はAppleが連邦政府機関に報告している数字の2倍以上でした。連邦政府機関が定める基準値は1.6W/kgとなっています。
 
iPhone XとiPhone8もいくつかの測定では基準値を上回りましたが、iPhone8 Plusはほぼ基準値内に収まりました。表中の「Modified test(修正版テスト)」とは、スマートフォンのパワーを減らすためのセンサーをオンにしてから行ったテストを意味します。
 

 

FCCは数カ月以内に再検査を実施

AppleはChicago Tribuneの記事に対し、「測定方法が適切でない」と反論するとともに、「iPhone7を含むすべてのiPhoneはFCCの認可を受けており、販売されているほかのすべての国々においても承認されている」とし、電波の強さは基準値内であると主張しています。
 
一方FCCは今回の報道を受け、今後数カ月以内に実験対象となった機種の再検査を実施すると回答しています。測定結果を見ると、体から2mm離れた地点で行った測定では、ほとんどのモデルの電波の強さが基準値を超えています。
 
スマートフォンメーカーとFCCは、発売前にすべてのスマートフォンの電波の強さを測定し、基準値内であるかどうかを確認しています。しかしChicago Tribuneは「測定されるのは1台のみで、しかも測定する施設を各メーカーが選べるのが問題だ」と批判しています。
 

 

 

さらに詳しい調査や測定へつながる可能性も

しかし今回測定されたのはわずか11機種、しかもiPhone7を除くと各機種につき1台だけです。Chicago Tribuneもテストはスマホの安全性をランク付けするためのものではなく(測定距離もメーカーの方法に従っているため、2mmは共通しているものの、それ以外は5mm〜15mmと異なる)、また電波が基準値を超えているスマホがどの程度の影響を人体に与えるのかも不明だとまとめています。
 
とはいえ今回の調査結果は、FCCの調査を含むさらに詳しい調査や測定を導く可能性があります。

 
 
Source:Chicago Tribune via MacRumors
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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