Apple Musicが特許侵害?デベロッパーがApple相手に訴訟
独占禁止法を巡って争いを続けるApple MusicとSpotifyですが、音楽ストリーミングサービスの仕組みそのものに不満を持つ団体もいます。Apple Musicに特許を侵害されたとして、新たにデベロッパーがAppleを訴えたことが分かりました。
特許に抽象的な表現目立つ
米イリノイ州の地裁に訴訟を持ち込んだのは、ソフトウェア・デベロッパーのアラン・バーソロミュー氏です。訴状によると、同氏が運営するPost Mediaが2006年~2015年に取得した計4件の特許を、Apple Musicが侵害したそうです。
ニュースサイトAppleInsiderが「漠然としている」と語るように、問題となっている特許には抽象的な表現が並びます。特許名も「続けて再生する目的でメディアリストを作成/投稿するシステムあるいは方法」「コミュニケーション・ネットワークを共有するためにメディアを作成/投稿するシステム」など、具体的な仕組みというよりかはアイデアの先行が目立ちます。
企業としての実態は不明
バーソロミュー氏は訴状の中で、これらの発明が彼の所有するTrio Systemsの子会社SoniClearで活用されていると述べています。
しかしSoniClearのウェブサイトを確認すると、デジタル音源の録音用ハードウェアやソフトウェアを提供しているものの、Apple Musicのような音楽ストリーミングサービスとの関連性は不明です。
また、サイトの画像もインターネット上で配布されている写真素材ばかりであることから、特許を有していながらも実際には製品をリリースしていない「特許不実施主体(NPE:Non-Practicing Entity)」ではないか、と考えられています。こうしたNPEには大学機関が含まれる一方で、最初からロイヤリティや賠償金獲得を目的とした“パテント・トロール”も存在します。
なお、Post MediaはApple Music以外にも、SpotifyやiHeartMedia、Slackerといった音楽ストリーミングサービスを訴えていますが、いずれもPost Mediaを相手にしていないようです。
Source:AppleInsider,SoniClear
(kihachi)