無料VPNアプリに潜む罠~中国政府にデータ筒抜けの可能性

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    仮想的に専用線を構築できるVPN(Virtual Private Network)アプリは、多くの場合アクセス制限をかいくぐるために活用されています。しかし、こうしたアプリの多くは政府当局との関連も疑われる中国企業によって供給されているため、利用することでプライバシーを危険に晒してしまう可能性が指摘されています。

    中国でVPNは排除されているはずなのに

    匿名性を確保できるだけでなく、本来は国や地域によってアクセスが制限されているはずのサービスを利用できてしまうVPNは、アプリストアで人気を博しているジャンルの1つです。固有名詞(FacebookやSnapchatといった具体的なアプリ名)を別にすれば、世界では「ゲーム」に次いで「VPN」の検索回数が多いことも分かっています。
     
    しかし“ユーザー”を透明人間にしてくれるアプリが、必ずしも彼らの味方だとは限りません。
     
    最近行われた調査の結果、App StoreやGoogle Playといったストアで人気を集めているVPNアプリの半数以上が、中国企業か中国に拠点を構える企業によって供給されていることが分かりました。
     
    中国では「金盾(Great Firewall)」と呼ばれる政府当局の検閲システムによって多くの海外サイトやサービスの利用が制限されているほか、2017年にはVPNアプリがストアから一斉削除されています。ところが奇妙なことに、多くのVPNアプリを提供しているのが他ならぬ中国企業なのです。

    中国政府にデータが筒抜け?

    VPN専門サイトTOPS10VPNが調査を行ったところ、VPNアプリはGoogle Playでは累計2億1,400万回、App Storeでは月平均で380万回ダウンロードされているにも関わらず、その77%にセキュリティリスクが存在していました。また人気無料VPNアプリのうち、60%近くが中国企業の所有であり、90%近くがプライバシー面で深刻な欠陥を抱えていました。
     
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    中国国内で制限されているにもかかわらず、なぜか大半のVPNサービスが中国企業によって提供されている歪な構造について、TOPS10VPNは「答えは簡単だ」とし、VPNネットワークを通して閲覧したデータが流出している可能性を指摘します。つまり、多くのVPNアプリは中国政府のコントロール下にあるというわけです。
     
    ニュースサイトAppleInsiderも「中国政府が邪魔されずに監視を行う」いい機会になっていると述べ、VPNアプリを使うユーザーの情報が政府へ筒抜けになっている危険性について触れています。
     
    残念ながら、調査の結果をもとにTOPS10VPNはGoogleとAppleに指摘を行ったものの、両社とも「アドバイスを無視した」そうです。単なるリスクの指摘では対処のしようがないということでしょうか。
     
     
    Source:TOPS10VPN,AppleInsider
    (kihachi)

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