公衆無線LAN通信速度、昨年同様キャリア以外がキャリアを上回る

iPhone8


 
ICT総研は、7月前半に東京都内と羽田空港で実施した公衆無線LANサービス(公衆Wi-Fiサービス)の通信速度実測調査の結果をまとめ、発表しました。調査の結果、昨年の調査同様、携帯電話キャリア3社の平均速度をキャリア以外が上回っていることがわかりました。

6種類のアクセスポイントで調査

調査対象は、NTTドコモの「0001docomo」、au(KDDI)の「au_Wi-Fi2」、ソフトバンクの「002softbank」、セブン&アイの「セブンスポット」(7SPOT)、スターバックスの「at_STARBUCKS_Wi2」、羽田空港の「HANEDA-FREE-WIFI」の6種類のアクセスポイントです。
 
測定端末はiPhone8で、各アクセスポイントで閑散時間帯と繁忙時間帯にそれぞれ10地点ずつ、速度測定サイト「インターネット速度テスト」(Google)にて、1地点あたりそれぞれ3回ずつ測定しました。測定エリアは東京都内の大手町、丸の内、神田、御茶ノ水、秋葉原、新宿、羽田空港で、調査期間は7月3日から16日までとなっています。

キャリア平均20.2Mbpsに対しキャリア以外は平均23.4Mbps

調査の結果、携帯電話キャリア3社(NTTドコモ、au、ソフトバンク)の下り速度が平均20.2Mbpsなのに対し、キャリア以外(セブンスポット、at_STARBUCKS_Wi2、HANEDA-FREE-WIFI)は平均 23.4Mbpsと、キャリアをやや上回りました。
 
中でも、HANEDA-FREE-WIFIは下り平均 31.3Mbpsと、唯一の30Mbps超えとなりました。前回調査(2018年5月)でも、HANEDA-FREE WIFIは、RBB SPEED TESTによる計測で下り 35.7Mbpsを記録しており、依然として安定した通信速度を維持しています。
 
一方でセブンスポットは、前回調査では下り平均 59.7Mbpsと驚異的な通信速度を記録しましたが、今回調査では下り 23.0Mbpsと他社並みの速度に落ち着いています。また携帯電話キャリア3社の中では、「au_Wi-Fi2」が下り速度 22.5Mbpsと、他の2社を上回る結果を残しました。
 

昨年調査よりも繁忙時間帯の速度遅延が目立つ結果に

繁忙時間帯(11時30分~13時30分)と閑散時間帯(9時30分~11時30分、13時30分~16時30分)の全社平均の下り速度を比較すると、繁忙時間帯は閑散時間帯の88.5%でした。前回調査の92.8%よりもさらに繁忙時間帯の速度遅延が目立つ結果となりました。
 
携帯電話3社(82.8%)とキャリア以外(93.6%)を比較すると、携帯電話3社の方が繁忙時間帯の速度遅延が大きい傾向がありますが、携帯電話キャリアの4G回線(特にMVNO事業者)で見られるような、繁忙時間帯の急激な速度低下はありません。

セブンスポットは繁忙時間帯の速度が閑散時間帯を上回る

なおHANEDA-FREE-WIFIは、閑散時下り 34.1Mbps、繁忙時下り 28.4Mbpsと、いずれもトップの速度を記録しました。またソフトバンクWi-Fiスポット(閑散時下り16.9Mbps、繁忙時下り19.9Mbps)、セブンスポット(閑散時下り21.1Mbps、繁忙時 下り 24.8Mbps)については、繁忙時間帯の速度が閑散時間帯を上回るという逆転現象が起きています。
 

 

上り速度の方が下り速度よりも差が広がる傾向

上りの通信速度は、携帯電話キャリア3社平均 22.6Mbps、キャリア以外平均 31.2Mbpsと、下り速度よりも差が広がる傾向を見られます。また全体的に、上り速度(平均26.9Mbps)が下り速度(平均21.8Mbps)を上回る結果となりました。特にdocomo Wi-Fiとセブンスポットは、上り速度と下り速度の差が大きくなっています。
 
前回調査と同様に、携帯電話キャリア3社の公衆無線LANサービスは通信速度という点で必ずしも優勢ではなく、また4G回線と比較すると混雑時間帯の速度低下が著しくないと、ICT総研は指摘しています。
 

 
 
Source:ICT総研
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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