アナウンサーが「Samsung端末で送信」まで読み上げる痛恨ミス~政治介入疑う声も

samsung エジプト モルシ前大統領

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エジプトのムハンマド・モルシ(ムルシー)前大統領が17日、スパイ容疑で出廷している最中に体調を崩し、搬入先の病院で死亡が確認されました。しかし現地メディアの判で押したような報道に対し、政府機関の“Samsung端末による”介入を疑う声も出ています。

政府機関から送られてきた定型文?

エジプトのモルシ前大統領は、民主化運動「アラブの春」に後押しされ、民主主義的な手続きを経て選出されたものの、軍部のクーデターによって僅か1年で失脚した経緯を持っています。退任後は在任中のスパイ行為やテロ行為で有罪とされ、禁錮20年の判決が最高裁判所によって下されたばかりでした。
 
ところが今回の急死について、エジプトの国内メディアは深追いする様子がなく、3つの国有新聞ではどれも判で押したように42文字(アラビア語)からなる記事が目立たない位置に掲載されているのみでした。

ムハンマド・モルシ氏は昨日、スパイ容疑で出廷中に死去した。故人は裁判官に対して発言の機会を要求し、許可が与えられていた。裁判が延期された後、彼は意識を失い死亡した。遺体は病院へ搬送され、必要な手続きが進められている。

 
現地事情に詳しいニュースサイトMada Masrによると、この文章は政府機関からWhatsAppで関係者に対して一律で送信されたものだそうです。
 
しかもこうした疑惑を決定的に裏付けるかのような出来事として、現地テレビのアナウンサーが定型文にとどまらず、文章の末尾に沿えられた「Samsung端末から送信」なる署名まで丁寧に読み上げてしまうハプニングが発生しました。
 


 
上記の動画では、アナウンサーがミスに気づき、ばつの悪い顔で固まってしまっている光景が確認できます。
 
もちろん、Samsung端末から送信された文章を読み上げたことが政治介入をただちに意味するわけではありません。また人権団体によると、モルシ前大統領の体調は以前から思わしくなかったとのことです。
 
しかし、ただでさえ政治不信が蔓延しているエジプトとあって、今回のハプニングで現政権のきな臭い動きを訝しむ人間が一層増えることは間違いないでしょう。
 
 
Source:BBC,Mada Masr,THE VERGE,AFP
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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