懲りないFacebook〜通信キャリアと個人データを共有、顔認識機能はオフにできず

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    プライバシー侵害や個人データ流出でさんざん批判されてきたFacebookですが、今度は通信キャリアと個人データを共有していることがわかりました。

    世界50カ国約100社に情報提供

    The Interceptが入手したFacebookの内部文書から、Facebookが世界50カ国の通信キャリアや電話機メーカー約100社に対し、同社がユーザーのスマートフォンから抜き出した様々なデータを提供していることが判明しました。
     
    データには、ユーザーが使用している端末やWi-Fiおよびセルラーネットワークの名称に加え、過去に滞在した場所、ユーザーが関心を持つ事柄、所属するソーシャル・グループ名なども含まれていました。またiOSおよびAndroidのFacebookアプリからだけでなく、InstagramやMessengerからの情報も含まれていた模様です。

    「つながりにくい問題を解決するため」と主張

    ある専門家は、Facebookがこれらの情報を「顧客をスクリーニングできるツール」として宣伝、提供するのは、人種や性別、年齢などによる差別を禁じる米国の法律に反する可能性がある、と指摘しています。
     
    実はFacebookは、通信キャリアなどとのデータ共有の事実を認めています。ただしあくまでも、世界各地のセルラーネットワークがつながりにくい問題を解決するため、「Actionable Insights」ツールを使ってユーザーの位置情報や個人情報を抽出、分析し、通信キャリアなどと共有していると主張しています。
     
    しかしThe Interceptの入手した文書およびFacebookの内情に詳しい人物によれば、「Actionable Insights」の本当の狙いはネットワークの弱い地域を発見・改善するためではなく、企業が個人データを利用してより緻密なターゲット・マーケティングを行うことであるようです。
     
    またFacebookはこれらのデータは匿名化されていると説明していますが、The Interceptはそれが真実かどうかは確認できないと警告しています。

    今も顔認識機能がオフにできない

    またこれとは別に米消費者団体Consumer Reportsが、Facebookが顔認識機能はユーザーがオフにすることができると2017年12月に発表したにも関わらず、現時点でもオフにできないユーザーがいるとの調査結果を報告しています。
     
    これはFacebookに投稿された写真に写っている人物の顔を自動的に分析、タグづけなどをしやすくする機能ですが、プライバシー侵害ではないかとの指摘が相次いだため、同社は各ユーザーが顔認識機能をオフにできるようにすると説明していました。

     
     
    Source:The Intercept,9to5Mac,Facebook
    Photo:Pixabay
    (lunatic)

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    この記事を書いた人

    元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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