先進国ではスマホ飽和も地球の裏側では成長力健在〜南アフリカのシェアは

南アフリカ astro

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「スマートフォン市場は飽和しつつある」「スマートフォンに替わる新たなデバイスが求められている」――。 こうした分析はメディアでよく見かけますが、どれも先進国を対象にしたものです。新興国ではまだまだスマートフォンの需要は高く推移しています。中でも南アフリカのスマートフォンシェアは注目に値します。

現地ブランドが大きな影響

2018年に南アフリカでスマートフォンを多く売り上げたメーカー上位5位は、Samsung、Mobicel、Huawei、Hisense、Appleとなっています。Samsungのシェアは32%と安定していますが、Mobicel(2017年6%→2018年16%)やHuawei(同9%→15%)の大幅な伸びが注目に値します。
 
南アフリカ シェア
 
このうちMobicelは南アフリカの現地メーカーで、同社の手がけたAstroは2018年に最も売れたスマートフォンとして大きく注目を集めました。AstroはOSがAndroid GO、メモリが512MB、内蔵ストレージが4GB、4インチの液晶ディスプレイ(LCD)を搭載しています。
 

スペックから分かるようにエントリーモデルに属しますが、「40以上のスマートフォンブランドが存在するが、そのうち30ほどは100ドル以下(約11,000円)で販売している」と語るように、およそ3,000円(450南アフリカランド)というAstroの価格はニーズにマッチしています。

市場の勢いも健在

南アフリカ市場の伸びも好調で、Counterpointの調査では2018年に同国におけるスマートフォンの出荷台数が前年比で7%も増加しました。これは世界のスマートフォン出荷台数が4%減となり、通年で初めて減少を記録したのとは対照的です。
 
同社はレポートで「スマートフォンが手頃な価格になったことや、安価な4G回線のデータプランが提供されるようになったことが、成長の主要な理由となっている」と分析しており、今後も好調な成長が続くことを示唆しています。
 
なお、フィーチャーフォンも引き続き大きな人気を博しており、アフリカ全土ではTranssion(Tecno、Infinix、Itelブランドを傘下に収める)が2018年にグループ全体で58.7%のシェアを有しています。
 
このTranssionは中国メーカーで、中国本土では存在感がまるでありませんが、「わざわざアフリカ人の黒い肌のトーンにあうよう、機能やハイライト効果が特殊な設定」となったカメラを搭載した端末をリリースするなどして、海の向こうでは爆発的な人気を有しているようです。
 
 
Source:MYBROADBAND
Photo:Flickr-Retlaw Snellac Photography
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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