ボーイング737MAXのパイロット、iPadでトレーニングを受けていた?


     
    アメリカの航空機メーカー、ボーイング社が製造するボーイング737の第4世代の小型ジェット旅客機ボーイング737MAXシリーズは、昨年の10月末にインドネシアのライオン・エア610便、今年3月10日にエチオピア航空302便が墜落事故を起こしており、問題の検証が行われていますが、パイロットのトレーニングの際に通常のフライトシミュレーターではなく、iPad上で新しいソフトウェアによるトレーニングが行われていたことが明らかになりました。

    4,600機の注文が保留状態に

    The New York Timesの報道によれば、ボーイング737MAXのパイロットは適切なトレーニングを受けておらず、航空機内で使用されているソフトウェアを正しく制御することができていなかった可能性があることがわかっています。現在ボーイング社は、4,600機の注文を保留状態としていることがわかっており、キャンセルとなった場合、多額の損失につながるといわれています。
     
    昨年10月末のインドネシアのライオン・エアの墜落事故、今年3月10日に起こったエチオピア航空の墜落事故ともに、ボーイング737MAXシリーズの航空機が使用されていました。もし仮にこれらの事故がソフトウェアトレーニングの欠如が原因だとすると大きな問題です。

    iPad上でしか行われなかったトレーニング

    通常パイロットが新しい航空機を操縦する場合、コックピット型のフライトシュミレーターで入念な安全確認を行ってから実際のフライトに臨みます。
     
    しかしながら、ボーイング737MAXシリーズの場合、トレーニングはiPad上でわずか2時間ほどかけて行われたのみで、新型航空機の違いを説明する13ページのハンドブックが併用されたに過ぎなかったことがわかっています。
     
    ボーイング社がフライトシュミレーターを用意できなかった理由として、航空機の製造段階でまだデータが揃っていなかったことが挙げられています。
     
    「以前と大きく異なるシステムが搭載されていない場合、フライトシュミレーターは安全確保のための文化のようなものだ」と、アメリカン航空パイロット組合の代表のデニス・タジャー氏はコメントしています。
     
     
    Source:The New York Times via AppleInsider
    Photo:DosenPhoto/Flickr
    (lexi)

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    この記事を書いた人

    ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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