Apple Watchで生産性向上と安全管理!高砂熱学工業が事例を公開

高砂熱学工業 Apple Watch

高砂熱学工業 Apple Watch
 
空調設備大手の高砂熱学工業が、2017年11月からApple Watchを400台導入し、作業現場の生産性向上、業務の効率化、安全管理面の強化に取り組んだ結果、一定の効果が得られたと発表しました。

Apple Watch用アプリとIoTセンサーで作業員の健康チェック

高砂熱学工業は従来、夏場の現場における作業員による健康チェックを午前2回と午後3回、チェック用紙の記入、暑さ指数の計測などの形で実施していました。
 
しかし、チェック用紙が膨大な量になり、暑さ指数の測定できる場所が限定されるなどの課題があったそうです。
 

高砂熱学工業 Apple Watch

高砂熱学工業が開発したIoT温度センサー


 
そこで、体表温、外気温を検知する温度センサー、湿度センサーなどを組み込んだ「IoT温度センサー」と、iPhoneとApple Watch用アプリを開発し、作業員周辺の温度と湿度をリアルタイムで計測する仕組みを導入しました。
 
高砂熱学工業 Apple Watch

高砂熱学工業が開発したApple WatchとiPhone用アプリ


 
1時間に1回、チェックシートの入力をApple Watchからプッシュ通知で促し、作業員がApple Watchの画面上で入力することで、タイムリーな状況把握と現場事務所PCでの一括管理が実現しました。
 
紙のチェックリストをApple Watchに移行したことで、ペーパーレス化が進んだほか、アプリから簡単に入力できるため、体調不良になりそうな作業員を即座に確認できるようになったそうです。
 
高砂熱学工業 Apple Watch
 

腕の動きを検知、安全確認の実施状況を管理

同社が作業現場での危険予知推進のために推進している指差呼称も、現場によっては徹底できていなかった課題がありました。
 
そこで、Apple Watch用に「指差呼称管理用アプリ」を開発し、指差呼称で腕を振る動きを感知してカウントし、iPhoneを介してサーバーに送信することで、指差呼称の実施状況を確認できるようになりました。
 
高砂熱学工業 Apple Watch
 
高砂熱学工業によると「指差呼称管理用アプリ」は現在、モデル現場での性能評価を行なっている段階ですが、年度内にも東京本店内の現場に展開する見込みとのことです。

危険環境でのアラーム通知、日報などのアプリ開発も計画

高砂熱学工業は今後、酸欠や硫化水素などの危険作業時の周囲環境を計測し、危険な状況になるとアラームで通知するなど、機能向上に取り組む方針とのことです。
 
さらに、指差呼称アプリの活用を通じて危険予知に対する作業員の感性を高めるほか、日報や手順書、週間作業連絡書などのアプリを開発し、工事管理の簡素化と社員の作業負担軽減を図る計画もあるそうです。

Apple Watch、iPadに続く企業の業務改善ツールになるかも

企業の業務改善というと、iPadは活用が進んでおり、Appleも公式Webサイトで東京メトロなどの活用事例を紹介しています。
 
Apple iPad ビジネス 東京メトロ
 
Apple Watchは、ヘルスケア目的での活用やメッセージの確認など、どちらかというとパーソナルな使い方がイメージされがちですが、両手がふさがっていても情報を確認できる点などは、Apple Watchならではの長所です。
 
高砂熱学工業の例のように、企業の安全管理や業務効率向上にApple Watchが活用される事例は、今後も増えていくことが期待できそうです。

 
 
Source:高砂熱学工業(PDF) via 日経XTECH
Photo:Apple
(hato)

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