iOS12アップデートでGrayKeyによるiPhoneロック解除は不可能に

    GrayKey 9to5Mac

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    iOS12へのアップデートによって、Appleはロック解除ツール「GrayKey」でのiPhoneロック解除ができないようにした模様です。

    3月時点ではiPhone Xもロック解除できた

    米メディアForbesによれば、今年3月の時点では、GrayKeyを開発するGrayshiftは政府機関に対し、当時最新モデルだったiPhone XまでのすべてのiPhoneのロック解除が可能だと説明していました。
     
    米司法省や連邦捜査局(FBI)がGrayKeyを購入したと報じられたほか、移民税関捜査局(ICE)やシークレットサービスも同ツールの購入契約を結んだとForbesは伝えています。

    iOS12以降はロック解除不能に

    しかし同メディアがGrayKeyの技術に詳しい複数の人物から得た情報によると、iOS12以降のOSを搭載したiPhoneについては、GrayKeyによるロック解除が不可能になっているとのことです。これらiPhoneではGrayKeyはデータを「一部抽出」しかできないため、暗号化されたままのファイルや、ファイルサイズとフォルダ構造といったメタデータしか得られないようです。
     
    これまでGrayKeyは、いわゆる「総当たり法(brute forcing)」を使い、何通りものパスコードを推測するという手段でiPhoneのパスワードを破ってきました。しかしiOS12ではこれが通用しなくなっています。

    当面はiPhoneのロック解除は不可能か

    AppleがどのようにしてGrayKeyを締め出したのかは当然ながら不明であり、これまで何度もAppleの弱点を発見してきたセキュリティソフト企業ElcomSoftのウラジミール・カタロフ氏も、今回ばかりは「さっぱりわからない」とお手上げ状態です。
     
    少なくとも当面は、iPhoneのパスコードは誰にも破ることができないと見てよさそうです。

    クックCEOはデータ保護の重要性を主張

    一方、現在欧州を訪問中のAppleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、ユーザーのプライバシーの重要性を主張しています。
     
    「第3に、企業はデータがユーザーのものであることを認識し、人々が自分自身のデータを修正、削除したり、そのコピーを簡単に入手したりすることができるようにすべきである」
     
    「第4に、誰もがデータを安全に守る権利がある。安全性はデータプライバシーとプライバシー権の柱だ」
     


     
     
    Source:Forbes
    (lunatic)

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