個人情報盗む「Adware Doctor」、Appleの削除対応について議員が質問状

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    先日、macOS向けのセキュリティアプリ「Adware Doctor」が、ユーザーデータを盗んでいたとしてMac App Storeから削除されました。しかし、これについて指摘がなされてからのAppleの対応が遅かったのではないか、という批判が現職議員から出ています。

    「Appleにしては遅すぎる」と批判

    ユーザーのブラウザ履歴などのデータを盗み、中国のサーバーに送信していた「Adware Doctor」がMac App Storeから削除されたのは9月7日すぎのことです。しかし、Appleが動いたのはアプリの問題点が公となってからで、研究チームが同社にコンタクトを取ってから数週間後のことだったことも分かっています。
     
    これについて、共和党のマルコ・ルビオ議員がティム・クック最高経営責任者(CEO)に対し、対応が遅かった理由や今後の対策に関する質問状を送っていたことが分かりました。
     
    「ユーザープライバシーやセキュリティの尊重を標榜する企業でありながら、この対応の遅さには極めて困惑させられる」とルビオ氏は質問状で批判、Appleが故意に無視を決め込んでいたのかどうかを明らかにしたい考えです。

    様々な条件が好都合に働いた

    Appleの取り組みについて疑問を呈するのは、“強硬派”として知られるルビオ議員だけではありません。
     
    Adware Doctorの問題について取り組んできた研究者も「Appleに悪意があるとは思いません。問題を見落としているだけでしょう」としながらも、App Storeから収益を得ていることを思えば、対応の遅さのみならずその後も沈黙を貫く態度は「余計に始末が悪い」と批判しています。
     

     
    研究チームによると、Appleがアプリのアップデート時に初期審査ほど厳格な審査を行っていない可能性に目をつけ、Adware Doctorは数年かけてアプリを“進化”させてきたそうです。
     
    また正規のアンチウイルスソフトであれば、ほとんどが「システムへのアクセスが頻繁に発生するため、App Storeの定める厳格なサンドボックス(アプリを個別領域に隔離する仕組み)の要件を満たせない」そうで、ライバルアプリが同ストアでの販売を許可されていないのも、セキュリティアプリを装うAdware Doctorにとっては好都合だったと考えられています。
     
     
    Source:Axios via AppleInsider,WIRED
    (kihachi)

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