ロック解除解析はここまで来た〜勝手にスマホが指の動きを特定するソナー装置に

    スマートフォン パスコード パスワード パターンロック  android

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    年々進化するスマートフォンのセキュリティですが、それに伴いハッキング技術も飛躍的な向上を遂げています。スマートフォンを小さなソナー装置に仕立て、ユーザーの指の動きから、ロック解除パターンを解析してしまう、まるでSFのような技術が登場しました。

    パターンロック解除を音波で識別

    スウェーデンとイギリスの大学による合同研究で生み出された「SonarSnoop」は、スマートフォンをソナー装置にしてしまうという技術です。
     
    特別なモジュールも必要なく、最初からスマートフォンに備わっているスピーカーとマイクを活用するというから驚きです。仕組みはシンプルで、特殊なコードを埋め込んだアプリをターゲットにインストールさせることで、人間の耳には聞こえない18〜20kHzの低音波をスピーカーから発信し、マイクで拾うというものです。
     
    対象となるのは、Androidスマートフォン(実験ではGalaxy S4)です。
     
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    iPhoneと異なり、Android端末は数字以外にも「パターンロック解除」という“一筆書き”がパスワードとして活用されています。しかしSonarSnoopを使えば、パターンロック解除に伴う指の動きを立体的にトレースできてしまうというわけです。
     
    現在は開発段階ということで精度は明らかにされていませんが、14万通り以上あると言われるパターンについて、研究チームは「SonarSnoopを使って、ロック解除パターンの可能性を70%減らすことができた」と更なる改良に意欲的です。

    複数の認証組み合わせが当たり前に

    もっとも、Androidのパターンロック解除は、以前より問題が指摘されてきました。
     
    真っ先に思いつくのは、6桁の数字の組み合わせによって100万通り以上のパターンが可能なiOSのパスコードロックに比べ、Androidのパターンロック解除は14万通り程度しかないという絶対数の少なさでしょう。また、2017年には「遠巻きにユーザーの動きを撮影するだけでも95%の確率で解読が可能」という報告も出ています。
     
    写真で顔認証を突破できたり写真のピースサインから指紋を読み取ったりバッテリーの電波からユーザーの行動を特定できたりする現在にあって、複数の認証を組み合わせることはユーザーにとって当たり前の時代となっています。
     
     
    Source:ZDNet
    Photo:YouTube-Paul G. Allen School,Cheng et al
    (kihachi)

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