空港でのロック解除拒否でiPhone没収されたムスリム女性、米政府を訴える

米国籍のムスリム女性が、所持していたiPhoneをロック解除するよう空港で求められて拒否したところ、職員から端末を没収された挙げ句に、「衣服を脱いだ写真」を含むデータをコピーされたとして、連邦政府を相手取って訴訟を起こしました。
「不当な理由でiPhoneを没収」と女性
訴えを起こしたレジャネ・ラゾージャ氏は今年2月、娘を連れてスイス旅行から帰国した際、米ニュージャージー州にあるニューアーク空港にて尋問を受けたそうです。
彼女の話では、連邦政府職員によって「小さく、窓のない部屋」に閉じ込められ、難民だった過去があるかを尋ねられたとのこと。さらに所持していたiPhone6 Plusのロック解除を拒否したところ、その場で没収され、返還されたのは130日も経った後のことだったそうです。
そのiPhone6 Plusの中には、弁護士とのプライベートなやり取りばかりか、衣服を脱いだ写真のような極めてプライベートな画像も含まれていたため、ヒジャブを身につけることで家族以外に肌を露出しないことを良しとするイスラム教に従ってきたラゾージャ氏は怒り心頭です。
こうした一連の行為が、不法な捜索や押収を禁止する合衆国憲法修正第4条に違反しているとして、同氏はデータの返却と、政府が保持しているデータの削除、ロック解除や解析に携わった企業の公開を求め、連邦政府を訴えに出たというわけです。
Appleもプライバシー保護のために対策進める
捜査に協力的でなかったというだけで、言われもなくiPhoneを没収され、あまつさえデータまでコピーされたとあっては、彼女が訴訟に踏み切りたくなるのも無理はありません。
ただ、iPhoneを含むスマートフォンのロック解除問題については、以前にもFBIとAppleが対決したように、政府当局にとって頭痛の種であることも事実です。
最近も、押収したiPhoneのロックを解除するために複数の捜査機関が高額なロック解除機器を購入したことを受けてか、Apple側がiOS12ベータに「USB制限モード」を搭載するという“いたちごっこ”のような状況が起きています。
Source:AppleInsider
(kihachi)