Apple、iPhoneに電池持続時間を延長する新技術を採用か

iPhone X Apple 公式

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AppleがiPhoneやApple Watchのディスプレイに、省電力、ひいては電池の持続時間延長に貢献する、新たなバックプレーン技術を導入する可能性があるとの見解を、調査会社IHS Markitが明らかにしました。

現在の主流はLTPS TFT

大まかにいうと、バックプレーンは画素のオン・オフ切り替えにおいて重要な役割を果たしています。つまりディスプレイの解像度、リフレッシュレート、消費電力に大きく関わっています。
 
現行のモバイルデバイスが搭載するアクティブマトリックス有機EL(AMOLED)ディスプレイは、低温ポリシリコンTFT液晶(LTPS TFT)を標準バックプレーンとして採用しています。しかしIHSは、Appleが将来的には、LTPS TFTに代わって「LTPO TFT(低温多結晶酸化物TFT)」という独自のバックプレーン技術を、iPhoneに取り入れるだろうと予想しています。
 
IHS Markit

LTPOはLTPSよりも省電力

IHSによれば、LTPOは理論的にはLTPSよりも5〜15%の省電が可能なため、電池持続時間の延長が期待できます。
 
LTPO技術については、Appleは2014年に最初の特許を申請しており、以降2015年、そして今年も特許を申請しています。
 
IHSはLTPSからLTPOへと切り替えるメリットについて、前述した省電力化以外にも、OLED部品や技術のコストをより密接に管理可能となる、ディスプレイ関連のサプライチェーンの管理がしやすくなる、などの理由を挙げています。これはLTPOがApple独自の技術であるためでしょう。

Apple Watchから採用か

IHSはAppleがまずLTPO技術を導入するのはApple Watchであり、順次OLEDを搭載したiPhoneにも採用していくだろうと予測しています。

 
 
Source:IHS Markit via MacRumors
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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