11月の米中間選挙、スマホアプリでの投票が初めて可能に

11月に行われる米議会中間選挙において、初めてスマートフォンからの投票が可能となる見通しです。
ウェストバージニア州・海外駐屯中の軍関係者限定
米国では4年に一度、大統領選挙の中間の年に、上下両院議員の選挙「中間選挙」が行われます。今年がちょうどその中間選挙の年にあたり、11月に行われますが、今回初めてスマートフォンのアプリを利用した投票が実現することになりました。
ただしウェストバージニア州限定、かつ海外に駐屯中の軍関係者のみという、限られた人々のみが対象となります。
この決定について、一部の選挙関係者およびセキュリティ専門家は、2016年の大統領選でロシアがFacebookなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用して情報操作した事実を挙げ、セキュリティリスクが高すぎると警告しています。
顔認証とブロックチェーン技術を利用
これに対しウェストバージニア州政府と投票用アプリを開発したVoatzは、アプリの安全性を主張しています。Voatzによれば、アプリを使用する際はまず政府発行の身分証明書の写真を撮影、さらに自分の顔を動画撮影してアップロードします。同社の顔認証ソフトウェアで写真と動画が同一人物であることが確認されると、アプリでの投票が可能となります。
投票は匿名化され、ブロックチェーンに記録されます。これまで同技術は私的な選挙、たとえばRock & Roll Hall of Fameの投票といったケースで、実験的に使用されてきました。
ウェストバージニア州政府は今年初め、州内の2つの郡の予備選挙でVoatzアプリを試験運用し、4回の監査を行ったところ、特に問題は見つからなかったとしています。
ただし実際にモバイルアプリを中間選挙に使用するかどうかの最終判断は、州内の各郡政府に任されています。また使用が認められた場合でも、海外駐屯中の軍関係者はアプリではなく、従来どおり紙を使った投票方法を選択可能です。