TSMC、製造機器はランサムウェアに感染していたと報告

TSMC
 
工場内の機器のウイルス感染により、一時的に生産停止を余儀なくされていたTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)が、感染したウイルスが2017年に大流行したランサムウェアの亜種だったと報告しています。

四半期売上が当初予測より2%減か

iPhoneやiPadなどが搭載する「Aシリーズ」プロセッサを供給するTSMCは先週末、生産工場内の機器がウイルスに感染したため、一時的に生産ラインを停止しました。

 

現在は完全に復旧し、生産を再開しているTSMCですが、調査を行った結果、感染していたのは2017年に大流行したランサムウェアWannaCryの亜種だったことがわかったと報告しています。

 

TSMCのシーシー・ウェイ最高経営責任者(CEO)は現地時間6日、今回の一次生産停止が現四半期(第3四半期、7-9月)の売上に与える影響は2%以下と述べています。当初の第3四半期の売上予測は84億5,000万ドル〜85億5,000万ドル(約9,420億円〜9,527億円)でした。

ハッカーの攻撃ではない

WannaCryは2017年5月頃から全世界に広まり、FedExやRenaultなどの大手企業も感染の被害に遭っています。ウェイCEOによれば、TSMCはランサムウェアからの金銭の要求は受けていないとのことです。

 

ウェイCEOはランサムウェアがどういったルートで入り込んだかについての詳細は公表していません。ただハッカーによる攻撃ではく、ベンダーが納品した新しい製造機器が搭載するソフトウェアが、ウイルスに感染していたとだけ説明しています。

 

AppleはTSMCの売上高の21%以上を占めており、同社にとって非常に重要な位置を占めています。またTSMCは今秋発売見込みのiPhoneが搭載する「A12」プロセッサの製造を、7ナノメートルプロセスにより5月に開始したと報じられています。 現時点では今回の生産一時停止がiPhoneに及ぼす影響はわかっていません

 
 
Source:Bloomberg
(lunatic)

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