「私はエレン・フェイス、学生」――伝説となったAppleのCMから16年

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ちょうど16年前の6月10日(現地時間:9日)、アメリカではAppleが衝撃的なコマーシャルを打ち出しました。このコマーシャルは日本でも国内版として公開され、そのインパクトゆえに大きな話題を博しました。

等身大の発言が共感を呼んだ

PCで文章を書いてたの。そしたらピピピピピって。で、書いたものが半分消えちゃった。……は?って感じ。ガッツリ食べられちゃったわけ、私の文章。ホントにいいデキだったのに。結局、もう1度書き直すハメになっちゃって、時間もギリギリだったから、最初と同じようなデキにはならなかった。なんていうか、マジありえないわ。私はエレン・フェイス、学生。

 

 
「Think Different」シリーズに続いて、2002年から始まった「Switch」は、Windowを搭載したPCがいかに不十分かをセレブではなく「実際の人々」に語らせることで、Macへの乗り換えを促すという、Appleの新コマーシャルです。
 
スティーブ・ジョブズ氏によって、2001年から開始されたデジタルハブ戦略の一環で、Macを持っていない95%のコンピュータユーザーがターゲットとなっています。
 
しかし、どこにでもいそうな等身大の女子高生が、カメラに向かって眠そうな目で(後に本人が語ったところによると「抗ヒスタミン剤を飲んでいたから」だそうです)愚痴をこぼすというスタイルは画期的だったのみならず、消費者の間でも大いに共感を呼びました。
 
日本でも「Switch」シリーズは放送されましたが、なかでも「きくちももこ」なる学生が、特徴的な口調やボディランゲージで、PCからMacへの乗り換え成功談を語るバージョンは公開当時、良くも悪くも相当な反響を巻き起こしました。
 

 
「彼らは俳優じゃない。PCからMacに乗り換えた実在の人々だ。自分の言葉で体験を語っているんだ」とはスティーブ・ジョブズ氏の弁です。「かつてないほど多くの人々が、PCからMacへ乗り換えることに興味を示している。乗り換え成功者が体験談を語ることで、他の人々が決心するきっかけになれば、と我々は願っている」
 
ところが、コマーシャルがあまりにも話題となったことで、出演したエレン・フェイスさんは「違法ドラッグをキメていたのではないか」という中傷を受けたり、インターネットカルチャーの中で「オモチャ」になったりしてしまったというのですから、皮肉な話です。
 
 
Source:Cult of Mac
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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