Appleデザイン責任者のアイブ氏、Apple Watchの開発秘話を語る

    ジョナサン・アイヴCDO

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    Appleの最高デザイン責任者(CDO)を務めるジョナサン・アイブ氏が、Hodinkee誌のインタビューで、Apple Watchの開発秘話について語りました。

    ジョブズ氏は腕時計をはめていなかった

    今でこそ大ヒット商品となり、累計販売数は4,600万本ともいわれるApple Watchですが、アイブ氏によれば、Apple共同創業者であるスティーブ・ジョブズ氏とは、腕時計作りについて話したことは一度もないそうです。
     
    アイブ氏は、
     

    腕時計について話したこともなければ、作るという話もしたことがない。それどころか彼(ジョブズ氏)が腕時計をしていた記憶すらない。

     
    と述べ、ジョブズ氏は生前腕時計を着用していなかったと明言しています。この答えを聞いてインタビューを行なったベンジャミン・クライマー氏は、ジョブズ氏が愛用していたとして知られるセイコーの腕時計に入札したことを思い出し、ショックを受けています(クライマー氏は腕時計を手に入れていませんが)。
     
    アイブ氏によれば、Apple Watch開発の話が初めて持ち上がったのは、ジョブズ氏が亡くなった数カ月後の、2012年初めだったそうです。

    外部の専門家にアドバイスを依頼

    Apple Watchの開発にあたっては、まず腕時計作りの歴史や技術を知るべく、製品開発の初期の段階で、時計学のプロなど外部の専門家7人にアドバイスを求めました。これはAppleとしては非常に異例なことだった、とアイブ氏は振り返っています。
     
    そして2014年、著名なデザイナーであり、アイブ氏が「親友」「特別な専門知識と経験を持つ人物」と呼ぶマーク・ニューソン氏が、アイブ氏率いるAppleのデザインチームに加わります。ニューソン氏がApple Watchの設計において重要な役割を果たしたことは間違いないようです。実際、同氏はAppleに入社する前にも、腕時計をデザインしています。
     

    Apple Watchといえば、デジタルクラウンが特徴となっています。アイブ氏はデジタルクラウンについて、iPhoneの場合は片手で持って親指で操作できるものの、腕時計ではそれができない(腕時計をはめていない腕による操作が必要)ため、タッチスクリーンだけではない、別の入力方法が必要だと考え始めたのがきっかけだったと語っています。
     
    Apple Watch開発時のこのほかのエピソードは、Hodinkee Magazineのサイトに掲載されています。

     
     
    Source:Hodinkee Magazine via 9to5Mac
    (lunatic)

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    この記事を書いた人

    元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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