無料通話のFaceTimeやSkype禁止のUAE政府、規制を緩和する方針

iPhoneやMacの主要機能のひとつ、無料通話ができるFaceTimeはアラブ首長国連邦(UAE)では利用が禁止されています。AppleやMicrosoftが、規制当局に嘆願を続けた結果、禁止が解除されそうです。
iPhoneのFaceTimeはUAEでは禁止
Appleは、UAEのアブダビやドバイに、豪華なApple Storeを開店していますが、UAE国内で販売されているiPhoneでは、FaceTimeを利用することはできません。
これはUAEの国内法で、通話サービスを提供可能な事業者として、Emirates Integrated Telecommunications Company(通称du)の1社独占を定めているためです。
政府が通信を傍受できないFaceTimeは規制対象に
米メディアCNBCの報道によると、UAEを含む中東諸国は、国民の通信内容を頻繁にモニターしているそうです。政府にとっては、強固な暗号化が施され、通信が傍受できないFaceTimeやSkypeは禁止したい、というのが真の理由とされています。
そのため、UAEの国民はFaceTimeや、MicrosoftのSkype、WhatsappやViberなど、世界的に一般的なインターネット経由の無料通話を使うことができず、従来どおりの電話サービスに通話料金を支払っています。どうしても使いたい場合は、VPN経由で接続して使う必要があります。
UAEの規制当局、方針転換へ
この規制下では自社製品の魅力が損なわれてしまうAppleやMicrosoftは、UAEの通信規制局(Telecommunications Regulatory Authority : TRA)と交渉を続けてきました。ついに、TRAの責任者が規制を緩和する方針を語った、と地元メディアが報じています。
AppleやMicrosoftの同国内での積極的な投資計画に加え、大手テクノロジー企業と良好な関係を築いておきたい、というUAE政府の意向が働いた模様です。
なおFaceTimeやSkypeは、UAEだけでなく、カタールやオマーンといった国々でも使用が禁止されていますが、サウジアラビアは昨年9月、インターネット通話の禁止を解除しています。
無料で音声・ビデオ通話できるFaceTime
FaceTimeでは、iPhoneどうしならキャリアが違っても無料で高音質の音声通話ができるほか、相手の顔を見ながらのビデオ通話が簡単に利用可能です。