スイス腕時計業界のCEO、Apple Watchに対しての不安を語る
スイスの高級時計メーカーFrederique Constantの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のピーター・スタース氏が、自身のブログでスイス腕時計業界がApple Watchによって脅かされる不安について具体的な数字を言及しながら述べています。米ワシントンD.C.の調査企業Juniper Research Groupによれば、昨年1,400万台だったハイブリッドスマートウォッチ(アナログダイヤルを持つスマートウォッチなど)の売上台数は、2022年には8,000万台まで伸びるとのことです。
腕時計業界に食い込んでくるスマートウォッチ
「スイスの腕時計業界は、Apple Watchがどれだけクォーツ時計に食い込んできているかまだ理解していないようだ。現在、第3世代のApple Watchだが、次世代Apple Watchがどのようなものになるかわからない。(Apple Watchが)黒いディスプレイ以外のケースを使用し始めたら、スイス腕時計業界にとって問題になるかもしれない。業界人の多くはいまだ何が起こっているのか把握していないように思える」と、スタース氏はコメントしています。
スマートウォッチに関して、54歳のスタース氏は信用を置かれています。同氏は妻と30年前にスイス・ジュネーブでFrederique Constantを起ち上げ、スイスでも屈指の腕時計会社へと押し上げました。2015年、Frederique Constantは、ダイアルなどのアナログ要素を搭載した機械式スマートウォッチを発表しています。睡眠・アクティビティ モニタリングエコシステムの特許技術MotionXが採用されており、スイス企業のManufacture Modules Technologiesにより開発されました。スタース氏によると、Frederique Constantグループは機械式スマートウォッチをすでに15万台売り上げたとのことです。
スマートウォッチに最も興味があるのは50代と60代
特にスマートウォッチのヘルス管理機能に消費者は大きな反応を示しているようです。「スマートウォッチは30代のユーザーが購入するものだと思っていたが、これは間違っている。50代、60代が最もスマートウォッチを買っている」と、スタース氏は語っています。
スマートウォッチは、Frederique Constantブランド時計の年間売上の12%を占めるに至っています。「2015年から2016年にかけて会社が成長できたのは、スマートウォッチのおかげ」と、スタース氏はコメントしています。
同氏は、スマートウォッチの売上は最終的に腕時計全体の売上の20〜30%を占めるようになると見ています。
スマートウォッチで何よりも大事なのがデザインだとスタース氏は語ります。そして2番目にデータへのアクセス、最後に価格が来ると同氏は続けています。
スマートウォッチは腕時計業界の救世主となるか、それともApple Watchに打ち負かされてしまうのか、今後の展開が気になります。
Source:Bloomberg
Photo:Hodinkee
(lexi)