Apple、米シアトルで人工知能分野の研究拠点を拡大

Appleが米シアトルの人工知能関連の研究拠点を拡大しています。シアトルには、GoogleやFacebook、Amazonが進出し、優秀な人材の獲得合戦を繰り広げています。
ビルの5フロアに入居、最大約500名が勤務
Appleが、シアトル市中心部の56階建てビルに構える拠点を、現在の1フロア半のスペースから5フロアを借りる契約に変更した、とシアトルのテクノロジー系メディアGeekWireが報じています。
5フロアの合計床面積は約70,000平方フィート(約6,500平方メートル)で、最大500人近くが勤務できるスペースとなります。
GeekWireによると、ビル1階の案内表示にAppleの名前はないものの、フロアの入り口にはAppleの社員証をかざすセキュリティ装置が取り付けられていた、とのことです。
Appleは2014年にシアトルに拠点を設置、2016年に現在の1フロア半の規模に拡張しています。
シアトルで繰り広げられる優秀な人材の獲得競争
Appleがシアトル勤務として、機械学習、スマートホーム、データ科学、クラウドコンピューティング、自然言語処理といった分野で19のポストの求人を出しており、人工知能関連を中心とした人材獲得を行っていることがわかります。
シアトルはサンフランシスコ地域よりも生活費が安くて住みやすく、優秀な人材が獲得しやすいことから、GoogleやFacebook、Amazonといったテクノロジー企業が拠点を拡大し、人材獲得競争を繰り広げています。
Googleの人工知能責任者を獲得したApple
Appleは最近、Googleで人工知能分野の責任者だったジョン・ジアンナンデラ氏を、ティム・クック最高経営責任者(CEO)直属の上級副社長として獲得しています。
「行き過ぎ」とまで批判されることもある秘密主義で知られるAppleですが、研究成果を発表できない環境では優秀な研究者は獲得できない、との批判に応じる形で、2016年末に人工知能分野の研究者に研究成果の発表を認める方針に転換しています。
最近は、Appleの研究者が機械学習を活用して「ヘイ、Siri」の認識精度を向上させる取り組みに関する論文を公開しています。
Source:GeekWire via MacRumors
Photo:GeekWire Photo
(hato)