「AppleはiPhone中毒に対処すべき」iPodの父が意見


 
iPodの父」と呼ばれるトニー・ファデル氏が、Appleは「iPhone中毒」の問題に責任を持って取り組むべきと、米メディアWiredで述べています。

スマホを想像以上に使っている現代人

多くの現代人が、常にメールやメッセージの送受信、買い物、ソーシャルネットワーク(SNS)でのやりとり、ゲーム、ビデオ視聴など、相当な時間をiPhoneを含むスマートフォンに費やしています。ファデル氏は「自分が思っている以上に使っている」と指摘します。
 
「健康的な」、つまり健康を害さないスマホの使い方という基準は存在しないものの、同氏はより多くの調査データを収集し、使い方のガイダンスを構築するよう推奨しています。そしてこれは「食事と同じ」だと主張します。

基準のない健康的で適正なデジタル生活

医師や栄養士は、1日に摂取すべきタンパク質や炭水化物の分量などの食事指導をしたり、運動のアドバイスをしたりします。
 
しかしこれがデジタル世界の話となると、何が「野菜」で「プロテイン」なのか、「脂肪」はどれなのかが不明になってしまいます。どういう状況が「肥満」あるいは「やせ」なのか。健康的で適正なデジタル生活はどのようなものなのでしょうか。

使用時間の履歴が把握できる機能の追加を推奨

ファデル氏は、政府が介入する前に、メーカーやアプリ開発者が「デジタル栄養」の基準を策定すべきだと主張しています。そして同氏は、Appleが今後さらに成長し、顧客ベースを拡大するには、ユーザーのデバイスの使い方を理解し、プラットフォームの段階でこの問題に対処する必要があると指摘します。
 
その方法として同氏が提案するのが、ユーザーがスマホにどれだけの時間を費やしているのかを、自分自身で正確に把握できるようにする機能の追加です。
 
たとえばカレンダーのような形式で、スマホに費やした時間の履歴が項目ごと(たとえばメールに何分、動画視聴に何分といった具合に)にひとめでわかるようにすれば、ユーザーは自分のスマホの使い方が管理できるようになる、とファデル氏は考えています。
 
システムレベルですべてのデバイスの制御が可能なAppleなら、こうした問題にも取り組みやすいはずとし、Appleには率先してiPhone中毒問題に対処して欲しいとファデル氏は述べています。
 
 

Source:Wired
Photo:Pixabay
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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