Apple、パテント・トロールに5億ドルの賠償金支払いを命じられる

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米テキサス州の連邦陪審は、VirnetXが特許を持つ技術をAppleが許可なく利用したとして、Appleに対し5億260万ドル(約538億円)の賠償金支払いを命じました。特許を巡る両社の争いは8年目に突入しています。

2010年から続いている裁判

VirnetXは、iPhoneに搭載されているFaceTimeやiMessageが、同社が所有する4つの特許を侵害しているとして2010年に提訴しています。
 
同社はAppleを相手取り複数の裁判を起こしており、連邦地方裁判所、連邦巡回控訴裁判所、特許庁の間で上訴と差し戻しが繰り返されている状態です。一番最近に行われた裁判では、AppleはVirnetXに対し4億3,970万ドル(約470億円)の支払いを命じられています。

Apple敗訴への期待から株価は70%上昇

ただし今回のVirnetX勝利は短命に終わると見られています。特許庁審判部(Patent Trial and Appeal Board)はVirnetXの特許を無効と判断しており、次の連邦巡回控訴裁判所では特許庁の判断が支持される可能性が高いためです。
 
昨年のVirnetXの売上は100万ドル(約1億円)超ですが、裁判でAppleに勝つことを期待する投資家らにより、株価は上場以来70%以上も上昇しています。

パテント・トロールと呼ばれるVirnetX

VirnetXは、国土安全保障省を含む米政府機関向けにセキュリティ技術の開発を行なっていた、Science Applications International Corporation (SAIC)の元技術者らが創業した企業です。
 
従業員の大多数が弁護士であること、また製品やサービスの提供よりも特許ポートフォリオの拡大・強化に力を入れていることから、一部では特許権を行使して巨額の賠償金獲得を狙う「パテント・トロール」だといわれています

 
 
Source:Bloomberg
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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