今や死体の指でもTouch IDは突破できる

    touch id

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    自分の死後、生体認証でロックされたiPhoneを誰かが開けることはできるのでしょうか。実は、すでに死体でもスマートフォンをロック解除する技術は確立しているそうです。ただし、今のところは犯罪者が主な対象です。

    生きている指でなくても大丈夫

    指紋認証を行うTouch IDは、生きている人間の指でなくてはなりません。
     
    Touch IDは、指紋の凸部とセンサーが触れ合う部分に集まった電荷を読み取り、認証を行います。これは、生きている人間の指が汗でわずかに濡れているため、電気を通す電解質を含んでいるために可能となります。したがって、切断された指ではTouch IDに代表される指紋認証センサーを突破することができないとされてきました。
     
    しかし、最近では技術革新によって、亡くなった人の指を使い、指紋認証を突破することが可能となっているそうです。FBIなどの政府当局によって研究が進められており、2016年の時点ではできなかったものの、今では技術として確立していることが分かっています。
     
    具体的な方法は明らかにされていませんが、ミシガン州立大学では指紋のプリントをもとに特殊なインクを用い、人間の皮膚を再現して認証を突破することに成功しており、死体そのものを用いるのではなく、死体の指を再現する技術が活用されている可能性もあります。
     
    またiPhone Xより投入されたFace IDについても、写真を3Dプリンターで作った顔に貼り付けて顔認証を突破する技術がすでに登場しています。

    今なら2015年のようにはならない?

    ここで思い出すのが、2015年に起きた米カリフォルニア州での銃乱射事件です。
     
    犯人のiPhone5cをアンロックするために、FBIがAppleに協力を要請しましたが、Appleはプライバシー尊重の理念を崩すことに繋がりかねないとして、これを拒否。メーカーはスマートフォンにバックドアを設けるべきか、という議論が現在も続いています。
     
    しかし専門家によれば、亡くなったユーザーのスマートフォンの認証を突破することは、対象者がすでに死亡しているため、法律に違反しないそうです。
     
    最近では、CellebriteGrayShiftといった企業が最新のiPhoneをロック解除する技術をウリにしていますが、死亡した犯人の指や顔を使って突破できるようになっているのなら、FBIとAppleの全面対決が今起きたとしても、ここまで大事には至らないでしょう。
     
     
    Source:SLASHGEAR
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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