Apple Musicの顔でBeats創業者のジミー・アイオビン氏、8月で引退か

Appleに買収される前のBeatsの共同創業者であり、サービス開始前からApple Musicを率いてきたジミー・アイオビン氏が、2018年8月をもって第一線のポジションを退く、と米紙The Wall Street Journalが報じています。
2014年、AppleによるBeats買収でAppleへ
ジミー・アイオビン氏は、2014年にAppleがBeatsを30億ドル(現在のレートで約3,170億円)で買収したため、Appleに加わりました。
今年1月、同氏がApple株のストックオプション行使権を手にする8月でAppleを退社するのではないか、と報じられましたが、同氏はすぐに「私はAppleブランドの一員だ」と語り、Apple退社の報道を否定していました。
BeatsとAppleの企業文化の違いが原因?
報道によると、アイオビン氏は8月にApple Music事業の責任者としてのポジションからは退くものの、Appleを完全に去るわけではなく、必要に応じてエディ・キュー上級副社長(インターネットソフトウェア及びサービス担当)らの相談に乗る、「相談役」のような立場としてAppleにとどまる、とのことです。
アイオビン氏をよく知る人物によると、「エッジー(最先端)」な企業文化を持つBeatsから、大衆受けを狙わなくてはならないAppleへの移籍は、同氏にとって困難なものだったようです。
アイオビン氏がApple Music事業の第一線から退くことで、Appleに買収される前のBeatsを率いた幹部メンバーが全員、現場を去ることになります。
生前のジョブズ氏に音楽ストリーミングへの参入を提案
アイオビン氏は、音楽プロデューサーとして活躍していた2004年には、故スティーブ・ジョブズ氏に対してAppleに音楽ストリーミングサービスへの参入を提案しています。
2015年に後発として参入したApple Musicは、現在は世界に3,800万人を超える有料会員を持ち、アメリカでは業界トップのSpotifyを超える勢いで会員数を伸ばしているとみられます。
Apple Musicは、音楽にとどまらず、オリジナル番組の制作・配信にも領域を広げており、現在もテレビ業界で経験と実績を持つ人物を次々に獲得しています。