米地方警察がすでにiPhoneロック解除ツールを購入していた

    Grayshift

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    先日、アメリカの新興企業Grayshiftが、iPhoneロック解除するGrayKeyというツールおよびサービスを販売していると米メディアForbesが報じましたが、すでにアメリカの地方警察が、同社と契約を結んでいたことがわかりました。

    インディアナ州警察が購入

    米メディアMotherboardは、インディアナ州警察によるGrayshiftへの発注書を入手したと報じています。2018年2月21日付の同発注書には、ハードウェア料金として500ドル(約5.3万円)、GrayKeyのオンライン年間使用料(300ユーザー)として14,500ドル(約155万円)という内容が記されていたとのことです。
     
    またインディアナ州警察のサイバー犯罪部門がこのロック解除サービスを利用するという一文も記載されていました。
     
    インディアナ州警察は一刻も早くサービスを利用したいと考えていたようで、Motherboardが別途入手した警察署内で交わされた2月20日付のメールには「現在取り組んでいる事件の証拠収集に必要なため、大至急購入を承認してくださるようお願いします」と書かれていました。これらの情報は「情報公開法」に基づいて入手したと同メディアは説明しています。
     
    Grayshiftにはサイバーセキュリティの専門家が複数勤務していることはすでにお伝えしましたが、同社には元Appleのエンジニアも勤務していることが判明しています。

    注目すべきなのは金額

    Motherboardは「どこかの会社がiPhoneをロック解除できるという事実自体は大したことではない」とし、iPhoneのロック解除が可能になればAppleがさらにセキュリティを強化するという、いたちごっこが続くだろうと述べています。
     
    それよりも重要なのは、Grayshiftが提示している金額だ、とMotherboardは指摘します。米連邦捜査局(FBI)がiPhoneのロック解除のために1億円近くを支払ったというのは、今やあまりにも有名な話ですが、Grayshiftが同社のサービス料金として提示している金額は15,000ドル〜(約160万円)です。
     
    今後各州などの捜査機関が購入を検討する可能性は十分にあるでしょう。

     
     
    Source:Motherboard
    Photo:Grayshift
    (lunatic)

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    この記事を書いた人

    元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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