Appleが「世界でもっとも革新的な企業」になれた理由〜クックCEOインタビュー

ティム・クック

ティム・クック
 
Fast Companyが「世界でもっとも革新的な企業」ランキングの発表に引き続き、1位となったAppleのティム・クック最高経営責任者(CEO)に対して今年1月に行なった、インタビューの内容を公開しました。

製品と人こそが成果

クックCEOは冒頭での「Appleにとってよい1年となった理由は何ですか?新しいヒット商品でしょうか、それとも株価でしょうか」という質問に対し、次のように答えました。
 

株価はあくまで結果であり、それ自体が成果ではありません。私にとって、製品と人こそが成果です。最高の製品を作れたか、人々の生活を豊かなものにできたか。この両方に取り組んでいれば――そしてこれらはつながっており、密接に結びついているので――よい年だといえます。

 
クックCEOはそのあともインタビューのなかで、「重視しているのは常に製品と人のことのみ」「人がこれまでできなかったことをできるようにする製品を生み出すという思いが我々を動かしている」などと述べ、利益よりも人と製品を重視していることを強調しました。

追随という言葉は使わない

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またスマートスピーカーHomePodを含め、他社の追随にも見える製品があることについて問われると、クックCEOは「追随という言葉は使いません。追随というと、誰かが何かをするのを待っていたように聞こえますし、実際はそうではないからです」とし、iPhone Xが搭載するBionicチップなど、多くの製品の開発に長い年月が費やされていると語りました。
 

我々がいつ着手したかを見てもらえれば、ほかの人々よりもはるか前にスタートしていることがわかるでしょう。ただ、満足のいくものに仕上げるまでに時間がかかるのです。お客様を実験台にしたくありません。独自性は辛抱だと思っています。素晴らしいものが完成するまで辛抱強く待ってから、出荷します。

 
クックCEOによれば、必要な部品などを考えると3〜4年先を見る必要があるため、現在取り組んでいる製品は2020年以降に出荷予定となっているものだそうです。

音楽の楽しみはフルサウンドで聴くこと

Apple Musicはユーザー数を増やしているものの、ストリーミングビジネスそのものはあまり大きな利益を生み出していないことから、ストリーミングが独立した事業として利益を得られる可能性はあるかどうか問われると、クックCEOは、利益は期待していないと回答。アーティストのためであり、音楽コミュニティを持続していくためと述べています。
 
またHomePodが、デジタルアシスタント重視の他社のスマートスピーカーとは異なり、音質重視を打ち出している理由については、「アーティストが細部にこだわって、膨大な時間を費やして作曲、録音しているのに、スピーカーが悪ければその苦労も台無しになってしまいます。音楽の楽しみのひとつはフルサウンドで聴くことです」と説明しました。

 
 
Source:Fast Company
Photo:Apple
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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