iOS版Facebookの新機能「Protect」の本質はスパイウェア!?

https://pixabay.com/en/twitter-facebook-together-292994/

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FacebookがiOSデバイス向けに、新しいセキュリティ機能「Protect」を追加しました。しかし複数の米メディアが、この機能の本質はユーザー保護ではなく、ユーザーのデータを収集する「スパイウェア」だと指摘しています。

一部の米ユーザーにのみ追加された「Protect」

iOS向けFacebookの右下のアイコン(3本のバーが並んでいる)をタップすると、「発見」の下にいくつもの項目が表示されます。その中の「Protect」をタップすると、App Storeの「Onavo Protect – VPN Security」というアプリへと案内されます。
 
TechCrunchによれば、この機能は一部のアメリカのユーザーにのみ実験的に追加されており、全面的な導入ではないようです。つまり筆者は偶然にもその追加対象になったということです。また確認されているのはiOS版のみで、Android版には追加されていないようです。
 
Protectの項目には特に説明もないため、無料アプリ、しかもVPNということで、あまり考えずにダウンロードするユーザーもいるのではないかと思われます。
 

Facebook Protect

Facebookの「Protect」機能


 

Onavo Protect – VPN Securityアプリ

OnavoはFacebook専用のスパイウェア

一般にVPNアプリというと、通信内容を外部に漏らさないためのセキュリティ対策として利用するものという印象です。Facebookの「Protect」からリンクしているOnavoも、安全な接続を確保する一面を持っていますが、TechCrunchや9to5Macが指摘しているように、App Storeに掲載されている説明文をよく読むと、別の一面が浮かび上がってきます。
 

セキュリティ提供のため、OnavoはVPNを利用して、サーバ経由で安全なネットワーク通信の接続を確立します。このプロセスの一環として、ユーザーのモバイルデータトラフィックを収集し、Webサイト、アプリ、データの利用状況を解析することで、サービスの運用と向上に役立てています。OnavoはFacebookの一部であるため、これらの情報はFacebook製品とサービスの向上、ユーザーが製品とサービスについてどのように考えているかの調査、よりよい体験の提供のためにも利用されています

 
9to5Macは、Onavoの本質は「Facebook専用のスパイウェアだ」と指摘しています。
 
 
Source:TechCrunch,9to5Mac
Photo:Pixabay
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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