Intel、「CPUに深刻なバグ」との報道に正式に反論

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Intelは、同社のプロセッサに深刻なバグがあり、重大な脆弱性をもたらすという報道に対し、公式声明を公開しました。

「Intel製CPUにバグ」報道で株価急落

現地時間1月3日、Intel製プロセッサに重大な欠陥が見つかったとの報道がありました。このバグは、パスワードやログインキー、キャッシュファイルなどが格納されているカーネルメモリへのアクセスを許すものであり、しかもハードウェア設計上の欠陥であるため、マイクロコードのアップデートでは対応できないとされています。
 
そのため欠陥を回避するには、ハードウェアを変更するか、OSレベルで対処するしかなく、後者の場合、処理性能が大幅に低下するといわれています。The Registerは、最低でも17%、最悪の場合23%処理性能が落ちると報じています。
 
この報道を受けてIntelの株価は大幅に下落し、競合するAMDの株価が上昇しました。

問題があるのはIntel製チップだけじゃない

しかしIntelはこの報道は「間違い」だとする正式声明を発表しています。
 
同社は、コンピューティングデバイスから重要なデータがハッカーなどによって抜き取られる可能性があるという問題は、Intel製品に特有の「バグ」や「欠陥」ではなく、多種多様なプロセッサやOSを搭載するさまざまな製品に共通する弱点である、と述べています。
 
つまりIntelだけではなく、ほかのプロセッサ・メーカーやOSベンダーも直面している問題だ、ということです。

業界全体で対処中

実際Intelは声明文の中で、この問題は最新調査によって明らかになったもので、Intelおよびほかのテクノロジー企業も認識しているとし、AMD、ARM Holdings、複数のOSベンダーを含む多くのテクノロジー企業と協力し、この問題を迅速に解決すべく業界全体で取り組んでいると述べています。
 

Intelは問題を軽減するためのソフトウェアおよびファームウェアアップデートの提供を開始しています。一部報道とは異なり、パフォーマンスへの影響は負荷に比例するものであり、一般ユーザーの場合さほど大きな影響はなく、いずれ緩和されます。

 
またIntelはこの問題について、各社からのソフトウェアおよびファームウェアのアップデートの準備が出来てから来週にも発表する予定だったとし、本日急遽声明を発表したのは、間違った報道が行われたためと説明しています。
 
 
Source:Intel,Register
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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