米連邦裁「iPhoneロック解除の詳細をFBIが明らかにする必要はない」

    iphone5c

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    先日アメリカのラスベガスで起きた銃乱射事件から遡ること2年、カリフォルニア州東部サンバナディーノでも無差別発砲事件が発生しました。この時の犯人が所有していたiPhone5cのロック解除をAppleが拒否したため、最終的にFBIはとある企業(もしくはハッカー)に1億円ほどを支払って解決したとみられています。この企業の詳細や支払った額について先日、連邦裁判所はFBIが明らかにする必要はない、との見解を下しました。

    FBIが公開する必要はないとの判断

    今回の判決は、メディア企業3社(Asocciate Press、Vice News、USA Today)が、情報公開法に照らし合わせて詳細を公開すべきだとして、2016年9月にFBIを訴えたことによるものです。
     
    FBIがどんな企業に対して、どの程度の額を支払い、どんな方法で解除したのかを明らかにするだけでなく、問題となったiPhone5c以外にも解除できるのか、あるいは将来的に同様の技術を再度用いるのかを公開するのが狙いでした。
     
    しかし、9月30日に連邦裁判所が下した見解は、この情報を明らかにすることで業務を請け負った企業がリスクを負うため、公にする必要はないというものでした。その企業はFBIほどにサイバー攻撃に対して護られておらず、各所からの攻撃に曝された場合、極秘情報が流出する可能性があるからだと説明しています。

    企業の名前を一般公開することは、その企業のシステムのみならず、当該技術に関する極めて重要な情報を、侵入リスクに晒すことになる。このFBIの結論は、合理的なものだ。

    ロック解除技術はAppleの技術に追いついていない

    請け負った企業については不明のままですが、これまで明らかにされている情報から、金額や技術など大方の目処はついています。
     
    支払われた金額については、ジェームズ・コミー元長官による「7年4ヶ月残る私の任期以上のコストがかかった」という発言や、米メディアReutersが入手した情報から、100万ドル(約1億1,000万円)前後だと考えられています。
     
    また少なくとも2016年4月の時点では、FBIが関知している技術ではiPhone5s以降はロック解除できないことを同長官自身が明らかにしています。
     
     
    Source:THE VERGE
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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