段違いの精度を誇るGPSチップ搭載スマートフォン、2018年にも登場か
日本では、位置情報の高精度測位が可能となる準天頂衛星システムの「みちびき」計画が2018年の4機体制での運用を目指して進められています。その一方、デバイス側でもGPS精度の向上が図られており、L5信号という、従来のL1信号やL2信号に比べて、高い建物の影響を受けにくい測位信号の受信が可能なスマートフォン向けのチップの開発も行なわれています。
向上するGPS精度
準天頂衛星システムのみちびきは、人工衛星が日本上空に常にまんべんなく配置されるよう、複数の衛星を8の字軌道で飛ばすプロジェクトです。すべての衛星の打ち上げが成功し、システムが運用されると、日本全国向けに1m級の精度の補正情報生成が可能になると言われています。
みちびきの人工衛星は、従来のL1信号、L2信号に加え、波長がより長く、都市部の高層ビルなどの高い建物の影響を受けにくいL5信号を送信することができるものの、それを受信できるチップは、これまで石油や天然ガス採掘用の産業仕様ものしか市場に出回っていませんでした。
L5信号を受信できる初のコンシューマーチップ
米チップメーカーのBroadcomは、L5信号を受信できる初のコンシューマーチップのBCM47755を発表しました。
Broadcomのチップがスマートフォンに搭載された場合、GPS精度は30cm級になると言われており、みちびきとの併用で、ナビゲーションや拡張現実(AR)への応用が期待されます。
BCM47755が具体的にどの端末に搭載されるかは明らかになっていませんが、早ければ2018年にも市場に出回るのではないかと予測されています。
Source:IEEE Spectrum
Photo:Pixabay
(lexi)