Apple訴訟「運転中の携帯電話の使用による死亡事故は誰の責任?」

運転中 iPhone ながら運転

運転中 iPhone ながら運転
 
運転中にiPhoneを使用していた十代のドライバーが、2013年に死傷事件を起こしました。事件をめぐり犠牲となった当時20歳のミネソタ大学の学生の遺族がAppleを訴えていた裁判の判決が下り、Apple側の勝訴に終わったとのことです。

AppleがiPhoneに制約をかけなかった責任?

遺族は、「Appleが運転中のドライバーのiPhone使用を防ぐ特許技術を適用できたのにも関わらず、責任を怠った」としてAppleを訴えていました。
 
しかしながら、カリフォルニア州サンタクララ郡立高位裁判所のマウレーン・フォラン裁判長は遺族側の訴えを「Appleに責任はない」として退けました。

スマホが引き起こす「ながら運転」

他のことをしながら運転する「ながら運転」は、iPhoneを含めたスマートフォンの普及で増加傾向にあります。ながら運転によって奪われた人命の数は、米国内(2015年)で3,477と記録されています。
 
今回はApple側の肩を持ったフォラン裁判長ですが、判決はあくまで仮決定であり、今後判決がひるがえる可能性も否定できません。

争点となっているAppleの特許とは?

事件の裁判で、遺族側が適用責任を主張しているAppleの特許技術は、「ロックアウトメカニズム」と呼ばれるもので、iPhoneを運転中に使用不可能にすることができると言われています。特許には、「運動分析」と「風景分析」を使って運転中の携帯電話の使用と防ぐ、と記載されているとのことです。
 
しかしながら、現時点でロックアウト機能の信頼性は不透明であり、技術を実際にiPhoneに搭載したところで事故を防げたかどうかは定かでないことから、今回の判決に至ったようです。iOS11ではすでに、「運転中モード(Do Not Disturb While Driving)」が盛り込まれています。
 
運転とスマホに関しての議論はこれからも続くでしょう。
 
 
Source:Ars Technica
Photo:Kārlis Dambrāns/Flickr
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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