Apple、初の人工知能研究論文で権威ある賞を受賞

Apple AI 人工知能 研究
 
Appleは人工知能(AI)研究ではGoogleやFacebookに遅れをとっていると言われていました。しかしながら、7月下旬にホノルルで催された世界的に名高い国際会議において、Appleは初のAI関連研究の論文で、最も優れた論文に贈られるベストペーパー賞(Best Paper Award)を受賞したとのことです。

コンピュータビジョンとパターン認識の国際会議

Appleがベストペーパー賞を受賞したCVPR(Conference on Computer Vision & Pattern Recognition)は、AI研究において重要なコンピュータビジョンとパターン認識の分野で最も権威のある国際会議です。
 
コンピュータビジョンとは、簡単にいえば人間が目で見ていることをコンピュータに行なわせようという技術で、人工知能研究において欠かすことのできない分野のひとつです。
 
パターン認識とは、自然情報処理のひとつで、雑多な情報のなかから一定の規則に基づいて意味のあるデータを取り出す処理のことを言います。

AppleのAI研究とは?

Appleによると、人工知能の機械学習(Machine Learning)においては、合成画像を一部用いるほうが、本物の画像のみを使うよりも効率がよいとのことです。コンピュータによって生成された合成画像には、あらかじめ画像情報が埋め込まれており、処理時間が短くなるためです。
 
しかしながら、機械学習を合成画像のみで行うと、満足な結果が出ないことがあるそうです。コンピュータは現実世界のものとかけ離れた合成画像を生成してしまうことがあるためです。
 
AppleのAI研究は、より効率の良い機械学習のための新しい手法を示すもので、コンピュータにより生成された合成画像を、人工知能アルゴリズムの一種である敵対的生成ネットワーク(Generative adversarial networks、通称: GANs)を用いることにより、本物の画像と見分けがつかないものへと変換できるとのことです。
 

AppleのAI研究は進んでいるのか?

2015年にAI関連の専門家86人以上の採用を進めていると報じられたAppleですが、CVPRのペストペーパー賞受賞から伺えるように、AI研究は一定の成果をあげているようです。
 
しかしながら、2017年度のCVPRのベストパーパー賞は実は2つの論文が受賞しており、もうひとつの受賞論文は中国の清華大学とFacebook AI Researchとの共同研究チームによるものです。
 
白熱するAI研究競争から今後も目が離せません。
 
 
Source:appleinsider
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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