「iPhoneのプロセッサは特許侵害」Apple、564億円の支払い命じられる
iPhoneやiPadに搭載されているAシリーズプロセッサが、米ウィスコンシン大学マディソン校の特許を侵害しているとして、米連邦地裁がAppleに5億600万ドル(約564億円)の支払いを命じる判決を下しました。
2015年の判決から支払額が倍増
ウィスコンシン大学マディソン校の特許管理団体、Wisconsin Alumni Research Foundation(WARF)は、iPhone5sに搭載されたA7プロセッサに使われている技術が、同大学で開発された特許技術を侵害している、として2014年2月にAppleを相手取って訴訟を起こしていました。
2015年10月、米連邦地裁はAppleによる特許侵害を認め、Appleに対し2億3,400万ドル(現在のレートで約261億円)の支払いを命じていました。これに対し、Appleは同大学の特許は無効だ、として米国特許商標庁(USPTO)に対し、特許の妥当性の検証を要求していましたが、同庁は要求を却下していました。
Appleに命じられた支払額が、2015年の判決から2倍以上に跳ね上がったのは、Appleが2016年12月に特許の有効期限が切れるまで、特許の侵害を続けたためとされています。
Appleは、判決を不服として上訴する方針です。
ユーザーの操作を予測して処理能力を向上させる技術
裁判で争われた特許技術は、Aシリーズプロセッサに搭載されている「予測回路(predictor circuit)」と呼ばれる、ユーザーの操作を予測することでプロセッサの処理能力を向上させる技術です。
この技術は、ウィスコンシン大学マディソン校のコンピュータ科学者、ギュラインダー・ソフィ教授と3人の学生によって開発され、1998年に特許を取得しています。
Source:Reuters
(hato)