iPhoneの米国内製造が雇用を生み出さない理由

ドナルド・トランプ大統領は、アメリカ国内に新たな雇用を生み出すため、iPhoneなどApple製品の国内製造を主張しています。しかし、9to5Macによると、国内製造が実現したとしても、期待通りの結果にはならないかもしれません。
iPhone生産の労働コストは高くない
かねてよりトランプ大統領はiPhoneなどApple製品の国内製造を主張してきました。現在、iPhoneのほとんどは中国で生産されています。
しかし、Apple最大のサプライヤーである台湾Foxconnの工場は高度に自動化されているため、人件費はiPhoneの総生産コストのほんのわずかです。
Bloombergのビデオレポートによると、生産にかかる労働コストはiPhoneの平均価格のわずか2.2%にすぎないそうです。
昨年12月の時点で、Foxconnにはすでに10個の完全自動化生産ラインがあり、工場全体の自動化にも取り組んでいます。アメリカに工場を移したとしても、今後の雇用創出にはあまり期待できなさそうです。
ブラジル工場での失敗
Appleは輸入税による製品本体価格の上昇を避けるため、ブラジルやインドでは政府と相談の上、国内に工場を置くなどの対応をしています。
しかし、国内でiPhoneを生産するためにFoxconnの工場を置いたブラジルでは、新たな雇用はほとんど生まれませんでした。
ブラジルでは、ほとんど変化がなかった。Foxconnは、ブラジル国内で作業する代わりに、サプライチェーンが近く部品を前もって組み立てられる中国でほとんどの仕事を行った。つまりiPhoneの大部分は中国で製造され、ブラジルの労働者は単に部品をくっつけるだけになってしまった。政府が期待していたほどの雇用は生まれず、Appleのサプライヤーからの注目も集めなかった。
9to5Macは、ブラジルで起こったことはアメリカでも起こるだろうと予測しています。
Source:9to5Mac
(nanakaba.n)