Appleが、蓄積しているだけで活用されていない「ダークデータ」を、人工知能(AI)を使った情報分析によって、使える情報に変えることを専門とする企業Lattice Dataを買収したことがわかりました。
スタンフォード大学から生まれた企業
米メディアTechCrunchによれば、両社は数週間前に買収で合意しており、Lattice Dataの約20人のエンジニアは、すでにAppleに勤務しているとのことです。買収金額は約2億ドル(約227億円)と伝えられています。
Lattice Dataは2015年、スタンフォード大学で「ダークデータから有用な価値を抽出する」ために開発されたシステム『DeepDive』の商業化を目的として設立された企業です。
デジタルユニバースの9割がダークデータ!?
デジタルユニバースは12ヵ月ごとに2倍の大きさに成長しており、2013年には4.4ゼタバイトであったのが、2020年には44ゼタバイトの大きさまで膨れ上がると予測されています。そのビット数は宇宙の星と同じくらいの数になるとも言われています。
ダークデータとは、収集、蓄積されるだけで、体系化や整理がなされていない膨大なデータを指しますが、膨大なデジタルユニバースのデータのうち、90%がこのダークデータであるとされています。つまり活用可能なデータはわずか10%に過ぎないということです。
調査会社IDCは、2020年に44ゼタバイトとなるデータのうち、最大37%には有用なデータが含まれるだろうと見ており、これらを分析・体系化すれば、4,300億ドルの価値が生み出せると述べています。
Lattice Dataが専門としてきたのは、
AIの活用によって、まさにこうしたデータを「分析、整理して価値を生み出す」ことです。
Appleが同社の買収によって何を行おうとしているかは不明ですが、AI関連であることは間違いなさそうです。
Source:
TechCrunch
(lunatic)