第4四半期スマホ市場シェア、AppleがSamsungにせり勝つ

2016年第4四半期の世界スマートフォン販売台数をベースとした市場シェアで、Appleが0.1%と僅差でSamsungにせり勝ったことがわかりました。
Appleが僅差で首位に
2016年第4四半期(10月−12月期)における、世界のエンドユーザー向けのスマートフォン販売台数は4億3,200万台で、前年同期から7%増えたと調査会社Gartnerが報告しています。
またベンダー別販売台数ではAppleが約7,700万台でSamsungの約7,680万台を上回り、販売台数ベースの市場シェアでSamsungの17.8%に対し17.9%と、僅差で首位となりました。
Appleが前回第4四半期で首位に立ったのは、iPhone6/6 Plusを発売した2014年第4四半期です。
ベンダー | 2016年第4四半期販売台数 | 2016年第4四半期シェア(%) | 2015年第4四半期販売台数 | 2015年第4四半期シェア(%) |
---|---|---|---|---|
Apple | 77,038.9 | 17.9 | 71,525.9 | 17.7 |
Samsung | 76,782.6 | 17.8 | 83,437.7 | 20.7 |
Huawei | 40,803.7 | 9.5 | 32,116.5 | 8.0 | Oppo | 26,704.7 | 6.2 | 12,961.5 | 3.2 | BBK Communication Equipment | 24,288.2 | 5.6 | 11,359.4 | 2.8 | その他 | 185,921.1 | 43.1 | 191,708.4 | 47.6 | 合計 | 431,539.3 | 100.0 | 403,109.4 | 100.0 |
2016年第4四半期のエンドユーザーに対する世界スマートフォン販売台数(単位:1,000台)
響くGalaxy Note 7のリコール
Gartnerによると、Samsungは2四半期連続でスマホ販売台数を落としており、2016年第4四半期の販売台数は前年同期と比べ8%減となりました。これには爆発事故多発でリコール、生産中止となったGalaxy Note 7が大きく影を落としています。
またHuawei、Oppo、BBKといった中国メーカーが、ミッドレンジ・エントリーレベルのスマホ市場で力を伸ばしてきたことも、Samsungの出荷台数減に影響した模様です。
中国主要スマホベンダーのシェアが7%拡大
2016年第4四半期は、中国ベンダーの勢力拡大が目立ちました。中国の上位3ベンダーであるHuawei、Oppo、BBKを合わせた市場シェアは21.3%となり、前年同期から7.3%拡大しています。
Huaweiは、Galaxy Note 7が販売中止となった第4四半期という絶妙のタイミングで「Mate 9」を発売、Note 7の代わりとして受け入れられた、とGartnerは分析しています。
また2017年第1四半期中には、Amazonの音声アシスタントAlexaを搭載したMate 9が米国でリリースされるため、2位のSamsungとの差がさらに縮まると見られています。実際、2015年第4四半期にはSamsungとHuaweiの販売台数の差は5,000万台以上でしたが、2016年第4四半期には約3,600万台まで縮小しています。
ベンダー | 2016年販売台数 | 2016年シェア(%) | 2015年販売台数 | 2015年シェア(%) |
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Samsung | 306,446.6 | 20.5 | 320,219.7 | 22.5 |
Apple | 216,064.0 | 14.4 | 225,850.6 | 15.9 |
Huawei | 132,824.9 | 8.9 | 104,094.7 | 7.3 | Oppo | 85,299.5 | 5.7 | 39,489.0 | 2.5 | BBK Communication Equipment | 72,408.6 | 4.8 | 35,291.3 | 2.5 | その他 | 682,314.3 | 45.6 | 698,955.1 | 49.1 | 合計 | 1,495,358.0 | 100.0 | 1,423,900.4 | 100.0 |
2016年のエンドユーザーに対する世界スマートフォン販売台数(単位:1,000台)
OS別ではBlackBerryのシェアが「ゼロ」に
GartnerはスマホのOS別市場シェアも発表しています。それによると2016年第4四半期には、GoogleのAndroidのシェアが81.7%に達しています。Gartnerによれば、2016年通年では前年からシェアを3.2%拡大、84.8%になったとのことです。年ベースでシェアを拡大したのはAndroidのみでした。
この調査結果から浮き彫りになったもうひとつの興味深い点は、BlackBerryのシェアがゼロになっていることです。MacRumorsによれば、ピークだった2009年には約20%の市場シェアを持っていました。
かつては市場を席巻したBlackBerryですが、iPhoneの登場以降、ユーザーの需要の変化に対応できず、現在はソフトウェア業へと事業を転換。スマホのブランドは中国のTLC Communicationへと売却しています。
事業縮小を続けているMicrosoftのWindowsスマホも、今年の第4四半期にはシェアゼロまで落ち込む可能性が高そうです。
OS | 2016年第4四半期販売台数 | 2016年第4四半期シェア(%) | 2015年第4四半期販売台数 | 2015年第4四半期シェア(%) |
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Android | 352,669.9 | 81.7 | 325,394.4 | 80.7 |
iOS | 77,038.9 | 17.9 | 71,525.9 | 17.7 |
Windows | 1,092.2 | 0.3 | 4,395.0 | 1.1 | BlackBerry | 207.9 | 0.0 | 906.9 | 0.2 | その他OS | 530.4 | 0.1 | 887.3 | 0.2 | 合計 | 431,539.3 | 100.0 | 403,109.4 | 100.0 |
2016年第4四半期のエンドユーザーに対するOS別世界スマートフォン販売台数(単位:1,000台)
Source:Gartner,MacRumors
(lunatic)