自撮り加工アプリMeitu、ユーザー情報を中国に送信していた

    Meitu

    Meitu
     
    自撮り写真を簡単に修正、加工できる中国発のカメラアプリ「Meitu」が人気を集めていますが、同アプリがユーザー情報を収集、中国にいるアプリ開発者に送信していたことがわかりました。

    App Storeで人気急上昇のアプリ「Meitu」

    Meituは、撮影後の自撮り写真の目を大きくする、ニキビなどを消して肌をきれいにするといった修正はもちろん、手描きの絵画風に一瞬で変えてしまうなど、その強力な画像加工機能が注目を集めています。
     
    AppleInsiderによれば、一時はAppleのApp Storeの無料アプリランキングで13位にランク入りしていたようです(筆者が確認した22日午後時点では34位)。

    ユーザー情報を集めて中国の開発者に送信

    しかしセキュリティ研究者らがMeituのiOS版を調べたところ、気になるコードが見つかりました。
     
    ジョナサン・ズジアスキ氏によれば、同アプリはダウンロード先であるiPhoneが使用制限の解放をしているかどうかのチェックを複数回行い、使っている通信キャリアの情報を集め、MACアドレス情報をもとにその端末の識別番号(IMEI)を入手、中国のアプリ開発者に送信しているとのことです。研究者らは、開発者が収集したデータを広告代理店などに販売しているのではないか、と推測しています。
     
    データ収集・送信を行っているのはiOS版Meituだけではありません。Google Playストアで提供されているAndroid版は、デバイスのGPS・電話番号・オーディオ設定へのアクセス、端末の起動時にアプリを立ち上げるかどうかなど、アプリのインストール時に行なわれる設定で「イエス」と答えた場合、これらのデータを収集、自動的に送信しているようです(イエスと答えないとアプリは使えない)。
     
    ズジアスキ氏らがさらにiOS版の調査を進めると、フレームワークを動的にロードし、記載されていないAPIを使用する「App Storeでは禁じられているコード」を使っていることがわかりました。ほかにもApp Storeで許可されていないコードを使っている箇所が見つかったそうです。
     

    他のアプリも個人情報を勝手に収集・売買している可能性

    「個人データを勝手に送信している」という訴えに対しMeituは、データを収集しているのは彼らが中国を拠点としているためで、App StoreとGoogle Playが提供するトラッキングサービスが中国ではブロックされているためだ、とCNETに説明しています。
     
    iOS版で集めているキャリア情報についてはターゲット広告に使用、また使用制限の解放がしているかどうかの確認は、コンテンツを共有しているWeChatのソフトウェア開発キット(SDK)にあらかじめ含まれているため、と回答しています。
     
    しかしGoogle Playもそうですが、アプリの審査が厳しいはずのApp Storeでも、Meituの配布は認められています。この事実はMeituに限らず、ほかのアプリもユーザーが知らぬ間に個人情報を収集、マーケティング目的で売買している可能性を示しています。
     
     
    Source:CNET,AppleInsider
    (lunatic)

    この記事がお役に立ったらシェアお願いします

    この記事を書いた人

    元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

    特集

    [PR]オフィシャルサイト

    目次