スマートフォンは「存在」しているだけで集中力に影響及ぼす―日本の研究チーム発表

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    スマートフォンが手元にあると気が散る。例えそこに存在しているだけでも――スマートフォンの「存在」と集中力の関係に注目した、ユニークな研究が発表されました。

    そこにあるだけで集中力が下がる

    スマートフォンの使用が思考能力に影響を与えるとするリサーチは様々に発表されていますが、中京大学と北海道大学が新たに行ったのは、「使用せずにそばに置かれている携帯端末」が注意力に効果を及ぼすかどうかという、「存在」に着目した研究です。
     
    実験は、スマートフォンもしくは同サイズのメモ帳をPCモニターの傍に置いた上で、モニターに表示された文字列から被験者に特定の文字を探させ、発見までの時間を測定するというものです。
     
    実験の結果、メモ帳を置いた場合に比べ、スマートフォンの場合は探索までの時間が長いことが分かりました。また、普段からスマートフォンの使用頻度が低いユーザーほどこの傾向は強く、このことから研究では、スマートフォンが置いてあるだけで自動的に注意が向いてしまう、と結論づけています。

    ヘビーユーザーの場合はアシスト役になる?

    もっとも、スマートフォンの使用頻度が高いユーザーについては、端末の存在によって置かれた側の文字列に気づきやすい傾向もみられ、研究では「スマホの存在を無視したり、注意したりする機能に個人差がある」のではないか、とも仮定づけています。
     
    つまり、ヘビーユーザーの場合には、逆にスマートフォンの存在が注意力を高める上で役に立っているわけですが、今回の研究とは別に、スマートフォンの使用によってユーザーの脳構造に変化が起きるとする研究として、親指の動きに関連する大脳皮質部位が活発化するというものや、ピアニストと同じように知覚や触覚が過敏になるというものが出ており、先述した「個人差」が脳構造に由来している可能性もあります。
     
    ただし、今回の研究はあくまでも標的の発見能力にターゲットを絞ったもの。いかにヘビーユーザーといっても、文書作成やデータ処理などのタスクでも同じようにアシスト効果が期待できるとは限らないので注意が必要です。
     
     
    Source:Hindustan Times,大学ジャーナル
    (kihachi)

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