ARウェアラブルがiPhoneに取って代わる―名物アナリスト、最後のレポート発表

iPhone7 ジェットブラック フリー素材

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Piper Jaffrayの有名アナリストとして知られるジーン・ミュンスター氏が、将来的にAppleはAR(拡張現実)ウェアラブルをiPhoneに置き換えるとする、大胆な予測を新たなレポート内で発表しています。

ARとスマートフォンが一体化する未来

かねてより、AppleがARやVR(仮想現実)の開発に力を入れていると指摘してきたジーン・ミュンスター氏ですが、同氏の予測では、次の5年でAR技術はポケットサイズのデバイスで完結するものとなり、最終的にAppleはスマートフォンに取って代わる存在として、ARやMR(複合現実)ウェアラブルを登場させてくる可能性もあるそうです。
 
もっとも、これはあくまでも5年以上という長期スパンでの話で、短期的にはスマートフォンに様々なセンサーが搭載されたり、Google Glassのようなウェアラブルが登場するだろう、とミュンスター氏は述べています。なお、同氏は以前にも、2018年頃にVR技術のプラットフォームとしてiOSが採用され、iPhone向けのデバイスとして登場するというレポートを発表しています。
 
これらから総合すると、ARデバイスがiPhoneに取って代わるというよりは、スマートフォンとAR技術が完全に一体化する、といった方が適切でしょうか。

それは1台のiPodから始まった

ちなみに、今回のレポートがPiper Jaffrayのアナリストとしては最後のものとなり、今後はARやAI技術の投資を行うベンチャーキャピタルで新たにキャリアをスタートさせることが分かっています。
 
Apple絡みのアナリストと言えば、KGI証券のミンチー・クオ氏か、Piper Jaffrayのジーン・ミュンスター氏か、と言っても過言ではないほど、投資家に向けて長年、Appleについての正確なレポートを発表してきたミュンスター氏ですが、あの強気のレポートがもう見られなくなるのかと思うと、少し寂しくもありますね(独立後も何らかの形で見通しを述べることはあるかもしれません)。
 
最後のレポートでは、2001年に登場したiPodに関する思い出で締められており、実にミュンスター氏らしい内容となっています。両親からクリスマスプレゼントとして貰ったiPodから、彼のAppleに関する真剣な考察は始まったそうです。
 

あの頃は、iPodに楽曲を入れるためにMacを持っていなければいけなかった。
 
Piper Jaffrayのデザインオフィスで夜中、唯一アクセスできたMacに、CDから楽曲を労力をかけてインポートしたものだ。あの経験は辛かったが、iPodを使うということは私に、それまで他の製品では体験したことのなかった、楽しいという感覚を与えてくれた。彼らはiPodでそれを成し遂げ、iPhoneでもまた楽しみを生み出してくれた。
 
あの魔法こそ、我々がカバーしてきた、ほとんどすべての時期で、Appleに対する見通しを強気に据えてきた大きな理由だ。時には短期的に誤ることもあったが、長期的には正しいものであり続けてきた。

 
 
Source:Re/Code
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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