AppleのAirPods、発売がここまで遅れた理由とは?
iPhone7/7 Plusと一緒に9月に発表され、当初は10月出荷開始といわれていたワイヤレスヘッドホンAirPodsですが、12月に入ってもまだ発売されていません。
あと数週間?クリスマスに間に合うか
ティム・クック最高経営責任者(CEO)が、11月末になってようやく数週間以内に出荷される見込みであることを明らかにしましたが、クリスマスに間に合うかどうかは微妙なところです。
Apple側からは発売の遅れについて、説明はないままです。一時はAirPodsが内蔵する、Apple開発の新しいワイヤレスチップ「W1」に原因があるのではという説も浮上していましたが、同じくW1チップを搭載したBeats Solo3ワイヤレスヘッドホンはすでに販売されています。
機能の実現が想像以上に困難だった
AirPodsの開発に詳しい人物がWall Street Journalに語った話によると、問題はワイヤレスヘッドホンの信号の送受信にあったようです。一般的なワイヤレスヘッドホンの場合、片方のヘッドホンのみがスマートフォンからBluetooth経由でワイヤレスに信号を受信、それをもう一方へと転送します。
しかしAppleは、AirPodのヘッドホンはそれぞれがiPhoneやMacなどのAppleデバイスから、独立して信号を受信すると説明していました。これを実現するには、ノイズを避けるためにも、両耳のヘッドホンが同時にオーディオ信号を受信する必要があります。またユーザーが片方のヘッドホンをなくしたり、電池切れが起きたりした場合も想定しなければならない、と前述の人物は語っています。
また複数の専門家が、AirPodのマイクにはバックグラウンドノイズを除去し、ユーザーの声のみを拾える機能が必要だ、と指摘しています。
つまりこうした機能の実現が考えていた以上に困難だったというのが、発売が遅れた理由という訳です。もちろんこれはあくまで推測に過ぎません。
クリスマスプレゼントには少々厳しいタイミング
AirPodsの出荷開始の遅れが、iPhone7/7 Plusの売れ行きに影響を与えることはないと業界アナリストらは見ています。ただし今年のクリスマス商戦を見逃したことは、やはりAppleにとって大きな痛手となりそうです。
Source:WSJ
(lunatic)