Samsung、次々とNote 7の発火動画をもみ消そうとしていることが発覚
Galaxy Note 7が発煙している動画をSamsungがもみ消そうと、投稿ユーザーに働きかけていたことが発覚して問題となっています。
動画を非公開にしたら9万円やる
つい最近、中国に住む張さんの家にSamsungの社員が2人来訪し、こう提案してきたそうです。「新しいGalaxy Note 7と900ドル(約9万円)の保証金を出す。投稿した動画を非公開にするならば」
張さんのGalaxy Note 7も、多数のユーザーと同じように突如発火。元消防士だった彼は、冷静に煙を上げ始めた端末を庭に投げ捨て、友達にその状況を撮影するよう命じていました。
当然、Samsungからの提案は撥ねつけました。「中国のGalaxy Note 7は問題ないとSamsungは言っていた。だから買ったんだ」と憤る張さん。「これは詐欺だ。彼らは中国の消費者を欺いているんだ」
ここぞとばかりに中国政府は特集番組
怒りに打ち震える張さんと、なんとか事を荒立てまいとするSamsungですが、一方で水を得た魚のように勢いづくのが中国政府です。
XiaomiやOppoといった国産ブランドを勢いづかせたい中国政府にとっても、今回のSamsungの不祥事はまたとないチャンスです。
さっそく国営放送のCCTVは特集番組を制作、「端末に問題がないとする主張は捏造だった」「もし、Samsungが中国消費者の法的権利や利権を侵犯し続け、テスト・プロセスの結果や詳細を明らかにすることを拒むのならば、一体誰が消費者に真実を明らかにしてくれるというのだろうか」と舌鋒鋭く批判を繰り返しています。
張さんも仕事を辞めてまで、別のNote 7ユーザーと徒党を組み、一体問題は何だったのか研究所まで押しかけることにしました。もう1人の彼もまた、販売代理店ごしにSamsungから補償の話を持ちかけられたそうです。「『地獄に堕ちろ』と伝えておけって(販売代理店に)言ってやったよ」
もちろん、この押しかけをお膳立てしたのはCCTVです。
もっと他にやることがあるのでは
ちなみに、Samsungのこうした「火消し作戦」は中国に限ったことではなく、人気ゲーム「Grand Theft Auto V」を改造してGalaxy Note 7を爆弾として投げるようにした動画も、なぜかSamsungの著作権侵害として先日削除されたばかりです。
ニュースサイトEngadgetが、「Samsungはもっと他にやることがあるはずだ」と言うのももっともで、こうした足掻きが一層ブランドイメージの低下に繋がってしまっている気がしてなりません。
調査企業IDCの中国担当マネージャーも、「すでにブランドは傷ついている」と話します。「Samsungが近い将来市場シェアを取り戻すのは、本当に困難なものとなるだろう」
Source:NYT,Engadget
(kihachi)