サムスン、Galaxy S7をオリンピック選手全員に配布も北朝鮮だけ“没収”

リオ・オリンピックではサムスンがスポンサーを務め、自ベンダーのスマートフォンやアクセサリを独占的に展開しています(そのせいでアップルはオリンピック会場から10キロ離れた会場でApple Watch限定バンドを売るしかありません)。出場選手にはサムスンの旗艦スマートフォンGalaxy S7 Edgeを配布しています。しかし、この「ビッグ・プレゼント」を受け取れない国があります。北朝鮮です。
配布したはずなのに…
リオ・オリンピックでスポンサーを務めるサムスンは、出場する11,100人ものアスリートに、オリンピック仕様のGalaxy S7 Edgeスペシャル・エディションを配布しています。ところが、Radio Free Asiaによると、北朝鮮に限っては31人の出場選手に対して、Galaxy S7 Edgeが渡されることはなかったそうです。
正確に言えば、サムスン側としては配布を行なったつもりでしたが、北朝鮮代表団の関係者が同社のオフィスに出向き、そのまま選手に贈られるはずの端末を回収してしまったとのこと。実際、先述したRadio Free Asiaが選手の1人に、携帯を手にしたかどうかを尋ねたところ、ただ彼女は首を横に振るばかりでした。
国の意向に反するから?
なぜ北朝鮮の関係者がサムスンのGalaxy S7 Edgeを選手に行き渡らせることなく回収してしまったのかについては分かっていません。
しかし、同国では「Arirang」や「Pyongyang」といった国産端末が流通しています。これらの端末が、Androidベースでありながら北朝鮮が独自に開発したアプリしかインストールできないという仕様になっていることを考えれば、Galaxy S7 Edgeが許されないのも当然なのかも知れません。
米メディアThe Washington Postは、「手早く彼らのコミュニケーション手段をコントロールしたかったのではないか」と推察しています。
Source:CNET,The Washington Post
(kihachi)