Teslaの自動運転による死亡事故に本格捜査〜自動運転車開発に暗雲?

    Tesla Model S

    Tesla Model S
     
    米Tesla Motors製「Model S」の自動運転モード作動中に起きた死亡事故に対し、米国家道路交通安全局(NHTSA)が本格捜査に乗り出しました。

    反射でトレーラーを認識できず

    5月7日、オハイオ在住の男性(40)がフロリダ州ウィリストンの高速道路でModel Sの2015年モデルを自動運転モード(オートパイロット)で運転中、18輪の大型トレーラーと衝突、死亡しました。
     
    トレーラーの白い側面の反射により、オートパイロットがトレーラーを認識できず、ブレーキを適用しなかったのが事故の原因とされています。Teslaによれば、これまで自動運転モードで1億3,000マイル以上走行してきたなかで、初の死亡事故となります。
     
    Teslaがオートパイロットシステムを導入したのは昨年10月です。完全自動運転への第一歩ともいえるもので、自動車線変更、自動ステアリング、自動縦列駐車機能などを装備しています。

    リコールの可能性も

    オートパイロットシステムがトレーラーを認識できなかったとすれば、TeslaはModel Sを自己回収する必要がある、と一部の専門家は指摘しています。
     
    Teslaは自社のブログにおいて、「オートパイロットは新しい技術で、現在もパブリックベータの段階」にあり、Teslaの所有者はこのことを十分認識したうえで同システムを利用する必要がある、と述べています。しかしコンサルティング会社CarLabのエリック・ノーブル社長は、安全性が立証されていない技術を顧客に販売するような企業はTeslaだけ、と同社の方針を批判しています。
     
    しかしTeslaはこれまで安全性については相当な自信を誇ってきました。Model Sは2013年8月に、NHTSAから安全性で最高クラスの5つ星の評価を受けています。

    自動運転開発に影響も

    NHTSAは事故現場に特別捜査チームを派遣し、自己発生当時の自動運転システムのパフォーマンスについて詳しく調査するとしています。
     
    Teslaのオートパイロットの安全性に問題ありとの捜査結果が出れば、自動運転技術を開発している世界中の自動車メーカーや、すでに自動運転の走行実験を行っているGoogle、自動運転車開発に乗り出すとの噂が絶えないAppleなどにも影響を与えそうです。
     
     
    Source:Bloomberg
    (lunatic)

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    この記事を書いた人

    元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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