ジョナサン・アイブ氏、デザイナーとしての哲学や次世代Apple Watchを語る

ジョナサン・アイブ氏

ジョナサン・アイブ氏
 
Appleの最高デザイン責任者であるジョナサン・アイブ氏が、ニューヨークのメトロポリタン美術館で「テクノロジーとファッション」をテーマにした特別展の会場で、次世代Apple Watchやデザイナーとしての哲学などを語りました。

アイブ氏、メトロポリタン美術館で語る

ジョナサン・アイブ氏は、Appleがスポンサーとなってニューヨークのメトロポリタン美術館で開催中の特別展「Manus x Machina ~テクノロジーの時代におけるファッション~」の会場で、ファッション情報メディアBusiness of Fashionのインタビューに答えました。
 
アイブ氏のインタビューからは、同氏のデザインに対する哲学が垣間見えます。

「デザイナーの仕事は、人々が存在に気付かない問題を解決すること」

「私たちデザイナーの仕事は、人々が存在に気付いていない問題を解決することです。ただし、ユーザーにその問題の所在を気付かせずに問題を解決するのです」

アイブ氏のこの言葉は、Appleのデザインの簡潔な描写として最適だろう、とニュースメディアiPhoneHackは評しています。
 
私たちが使うApple製品は私たちの生活を豊かにしていますが、製品デザインの成り立ちや製品化の過程で乗り越えてきたハードルを意識する人はほとんどいないでしょう。
 
アイブ氏は、Apple Watchなどのガジェットが以前よりもパーソナルな存在になっていると述べています。

「私たちがファッションへの関心の有無に関係なく、私たちの製品はどんどんパーソナルなものになっています。製品は毎日身に着けるものとなっています。これは以前には経験のなかったことで、私たちが学ぶことは多くあります」

 
この発言は、以前の「Apple WatchのデザインはiPhone以上に大変だった」と語った、テクノロジー製品を文化的文脈に位置づける苦労と共通する考えによるものでしょう。

次世代Apple Watchは大幅変更?

今後のApple Watchについて、アイブ氏は明言を避けながらも、製品の進化について以下のように語り、次世代のApple Watchが大幅な変更がある可能性をにおわせています。

「第一世代のiPodやiPhoneのことを思い返すのは実に興味深いものです。その2年後、3年後、4年後は、どれほど劇的だったでしょう。初代iPhoneができたこと、できなかったことを知れば、非常に驚くはずです。」

「もちろん、Apple Watchは私たちにとって新しいカテゴリーの製品です。だからといって、日和見主義を決め込むつもりはありません。」

最後にアイブ氏は、以下のように、Apple Watchの将来に対する期待をにじませています。

「個人的には、成長段階の製品というのは大好きです。」
 
「私たちは、何かを作って、やめてしまうようなことはしません。」

 
なお、同氏のデザイナーとしての歩みについて詳細は、昨年発売された「ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー」に書かれています。

特別展は8月14日まで開催中

メトロポリタン美術館で開催中の特別展「Manus x Machina: Fashion in the Age of Technology」は、8月14日まで開催されています。ニューヨークに行く機会のある方は、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
 

 
 
Source:Business of Fashion, iPhoneHacks, The Metropolitan Museum of Art
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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