人肉検索はもう古い?写真の背景から位置情報を特定するAIをグーグルが開発

    写真 特定 場所

    写真 特定 場所
     
    写真の背景からどこで撮影したかを特定できるAI「PlaNet」が、グーグルによって開発されました。

    9,000万枚もの写真をディープラーニング

    米メディアMIT Technology Reviewが報じたところによると、グーグルのコンピュータビジョン研究者であるTobias Weyand氏が、写真に映り込んでいる風景を素早く特定するAI「PlaNet」を開発したことが分かりました。
     
    「PlaNet」は、位置情報を伴った9,000万枚以上もの風景をディープラーニングによってインプットすることによって完成したもので、写真をピクセル単位にまで分解し、ピクセルと記憶したデータを相互に照合することによって、特定を可能にするというものです。

    230万枚の時点で人間を凌駕

    230万枚をディープラーニングさせた段階で、すでに「PlaNet」は撮影された国を28.4%の精度で、大陸を48%で特定することが可能でした。
     
    これだけなら人間でも可能な気もしますし、そこまで驚くには値しません。しかし、先述したMIT Technology Reviewは、すでにこの時点で人間よりも多少は優秀な状態にあるとします。なぜならば、人間の脳は生態や文化の手がかりをここまで記憶することができないからです。もちろん、9,000万枚以上学習すれば、人間が敵うべくもありません。
     
    「我々は、PlaNetが人間よりも総体的に優秀であることを知っている。なぜならば人間よりも多くの場所を見て、異なる情景の細部から紐解くことが可能だからだ。細部を読み解くという点では、たとえ旅行経験が豊富な人間ですら、同じように判別できるとは限らない」と、Weyand氏は完成度に自信を覗かせます。
     
    つい最近も巷を騒がせた人間の住まいが、週刊誌に掲載された画像の背景に映り込んだ1本の木から「人肉検索」(検索エンジンなどを使って、ある人物の名前など個人情報を特定したり、事件の真相を解明する行為)で特定され物議を醸しましたが、写真をどこで撮影したか忘れてしまったら、グーグルに聞いてみる――近い将来そんな日が訪れるのかも知れませんね。
     
     
    Source:新浪科技
    (kihachi)

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