米連邦裁判所、FBIに捜査協力するようアップルに命じる

    iphone5c バックドア

    iphone5c バックドア
     
    アメリカ合衆国連邦裁判所は16日、アップルに対して、iPhoneのデータ開示に応じFBIに協力するよう求めました。しかし令状によれば、アップルは「自発的な協力を拒否」したとのことで、アップルのユーザープライバシーに対する尊重姿勢が改めて浮き彫りとなりました。

    強力な暗号化技術に阻まれて捜査進まず

    San Bernardinoで射殺事件を起こした犯人のiPhone5c解析を行うため、アメリカ合衆国連邦裁判所がアップルに対し、FBIに協力するよう求めていたことが分かりました。検察によると、犯人のiPhone5cを操作する権利を得たのにもかかわらず、iCloud上のデータにはアクセスできたものの、暗号化技術に阻まれてデバイス内のコンテンツを満足に解析することができなかったそうです。
     
    iCloud上のデータには、被害者や犯人を手助けした妻などとのやり取りが残されており、捜査を行う上で重要な手がかりとなっています。それだけにFBIとしては、何としてでもiPhoneの中身を把握したいところでしょう。
     
    ひとまずFBIは、隠された可能性のあるiCloudデータの復旧をアップルに要請しています。しかし、アップルはiOS8以降、暗号キーの蓄積をやめており、現在はアップルですらユーザーのデータにアクセスすることが不可能な状況にあります。そのため、アメリカ合衆国連邦裁判所から命令を言い渡されても、バックドアを設けていないので協力のしようがないのが実情です。

    ベンダー界からは異論も

    ただ、このように時として犯罪者すら利してしまうアップルの原理主義的なプライバシー尊重方針には、ベンダー界からも異議を唱える声が出ているのも確かで、BlackBerryのCEOであるJohn Chen氏は、アップルは「やり過ぎ」で、当局の世話にならない一般ユーザーのみが対象だとの考えを示しています。
     
    犯罪を未然に防ぐことができる一方、犯罪者とされる人物が冤罪である可能性もあるわけで、この辺りは線引きが難しいところですが、ユーザーとしては政府に屈する形でバックドアを設けて欲しくはないですね。
     
     
    Source:iPhone in Canada
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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