
Apple Watch Series 12は何が変わる?終日心拍計測とアプリ刷新の噂

9月9日(現地時間)に開かれるApple新製品発表イベントで、Apple Watch Series 12が披露される見通しです。名称を含めて正式発表前のため、以下は報道をもとにした内容です。外観の変化は乏しいと伝えられており、今年の本題はセンサーの動かし方とアプリ側の作り直しにありそうです。報じられている変更点を整理し、買い替えの判断材料までをまとめます。
今年のApple Watchで変わる3つのポイント
Appleが今年重心を置くのは、外観ではなく計測とソフトウェアの領域とみられます。報道のうち、読者への影響が大きい要点は次の3点です。
- 終日の連続計測:心拍センサーが1日を通してデータを集める方式をテスト中とされる
- ヘルスアプリの刷新:ヘルス関連のアプリを刷新し、ウェルネス指標を増やす方向
- 外観は小幅変更:Apple Watch Ultra 4を含め、目に見える変化はバンド中心
現時点の報道では、大幅なデザイン刷新は少なくとも1年以上先とされています。つまりApple Watch Series 12は、見た目で選ぶ世代ではなく、測れる範囲で選ぶ世代という位置づけになりそうです。ヘルス関連の機能はOSの更新で旧モデルにも届いた例があり、アプリ側の変更はwatchOS27で既存モデルにも及ぶかもしれません。
Apple Watch Series 12の心拍センサーはどう変わるのか
今年の実質的な目玉になりそうなのが、心拍センサーの使い方です。Appleはこのセンサーを1日中動かし続ける方式を試しているといいます。
現在の計測方式との違い
現在の心拍センサーは、ワークアウト中や心拍数アプリを開いたときにリアルタイムで動きます。それ以外の時間帯は断続的な測定にとどまり、異常値の通知も設定をオンにした場合に働きます。
以下は報道をもとにした想定であり、実際の仕様は発表内容によって変わります。
| 現在の方式 | 終日の連続計測(想定) | |
|---|---|---|
| 常時計測 | 運動時や測定操作時のみ | 1日を通して継続 |
| 平常時の扱い | 断続的に確認 | 変化を連続して記録 |
| 得られるもの | 異常値への気づき | 生活全体の心拍の起伏 |
| バッテリー | 現行モデルの駆動時間が基準 | 消費が増える可能性 |
終日の連続計測が実現すれば、会議中に上がった心拍や寝つく前の変化が線としてつながります。
日本の生活シーンでの使いどころ
恩恵が大きいのは、運動習慣のある人よりも、むしろ運動していない時間が長い人ではないでしょうか。デスクワーク中心の毎日では、心拍が大きく動くのは通勤や仕事の合間だからです。
満員電車での移動や長引いた残業が心拍にどう表れるかを、感覚ではなく数字で確認できるようになるのはとても心強いです。ただし、心拍は食事や室温でも動くため、数値だけで原因は特定できません。数世代使ってきた実感としても、運動時より「何もしていない時間の数値」のほうが変化に気づきます。
なお、Apple Watchのヘルス関連機能が示すのは健康管理の参考情報であり、病気の診断が目的ではありません。気になる症状があれば医療機関に相談してください。
バッテリー駆動時間への懸念
センサーを動かし続ければ電力の消費が増えるため、就寝時も含めて長時間着けたい人ほど充電のタイミングに悩みます。睡眠計測まで使うなら、朝の身支度中などに充電を挟む運用になりがちです。この運用が終日の連続計測でも通用するかどうかは、実機での確認を待ちたいところです。
ヘルスアプリの刷新は画面を持たないトラッカーへの回答か
ソフトウェア側の動きも見逃せません。Appleはヘルス関連のアプリを作り直しており、画面を持たないトラッカーへの対抗が背景にあるとされます。
設計思想の違いはどこにあるか
画面を持たないトラッカーには、「今日の体調はこう解釈できる」という結論まで示して支持を集めた製品があります。対するApple Watchは通知も決済も担い、健康データを数ある役割の1つとして扱います。同じ生体データを抱えながら、見せ方の設計思想が異なるという点に、Appleが手を入れる理由がありそうです。
指標が増えることの功罪
ウェルネス指標が増える方向とされますが、項目数が多いほど良いとは限りません。刷新の成否は項目数ではなく、その日に見るべき1つを差し出せるかにかかっています。
日本でも健康保険組合や自治体が歩数の記録を使った取り組みを広げており、表示される指標が増えれば相性も変わってきます。
Apple Watch Series 12は買いか〜世代別の判断基準
判断の起点になるのは、大幅なデザイン刷新が1年以上先という点です。今年購入しても翌年すぐ見劣りはしにくい一方、外観の新しさを重視するなら待つ理由も残ります。
買い替えを検討したい人
- 数年前に購入したモデルを使っており、バッテリーの持ちが落ちてきたと感じている
- 運動時よりも、日中や睡眠時の状態を数字で把握したい
- 家族と活動量の記録を共有し、生活リズムを見直したい
為替の水準によっては、Apple製品の国内価格が変わる可能性もあります。ただし価格は為替だけで決まるものではないため、値上げを前提に購入を急ぐ必要まではありません。
見送っても困らない人
Apple Watch Series 10やSeries 11で運動の記録に不満がないなら、今年は見送っても支障は出にくいと考えられます。ヘルスアプリの刷新はソフトウェア側の変更であり、過去の例を踏まえればwatchOS27の配信で既存モデルにも一部が届くからです。
終日の連続計測を既存モデルにも提供するかは分かりません。センサー自体は載っていますが、1日中動かすには消費電力の設計が関わってきます。
今年のApple Watchをどう見るか
終日の連続計測とアプリの刷新がそろえば、腕に着けている時間の意味そのものが変わってきます。スペック表では測りにくい種類の進化であり、評価は使い始めてからでなければ下せません。
終日の連続計測をどこまで実装するか、刷新されたヘルスアプリが最初に何を見せてくるか、この2点を確認ポイントにしておくと、今年の更新の狙いを読み取りやすくなります。イベントは日本時間で9月10日未明の開始です。
Photo:Macworld
