iPhoneの主要製造国は3カ所〜2024年以降の国別製造担当割合の変遷

Appleは、地政学リスクを抑えるため、iPhoneの製造拠点を中国以外にも広げる取り組みを進めてきました。特にインドでの生産拡大は大きく報じられていますが、国別の製造比率で見ると、中国の存在感は依然として非常に大きいままです。
2024年から2026年の国別製造比率から見えること
今回の報道から見えてくるポイントは、主に次の通りです。
- 中国の製造比率は低下傾向にあるものの、依然として最大の拠点である
- インドの製造比率は着実に上昇しているが、報道から受ける印象ほど急激ではない
- ブラジルは一定の生産拠点として維持されているものの、全体に占める比率は限定的
中国とインドの比率はどう変化しているのか
iPhoneの製造において中国で行われる割合は、2024年がおよそ80%に達していましたが、毎年減少しており、2026年通年では75%を割り込む見通しです。
一方、同時期にインドで製造される割合は増加し続けており、2026年は25%を上回ると予測されています。

中国依存は低下しても、急激には崩れていない
インド生産の伸びは確かに目立ちますが、国別比率でみると、中国のシェアが急減しているわけではありません。報道ではインドの増産が強調されやすい一方で、中国での大規模生産が維持されている点は目立ちにくいため、印象に差が生じやすいと考えられます。
インドでは新製品の立ち上げも進んでいる
以前は、新型iPhoneの開発や量産試作は主に中国で行われ、中国での量産開始から数カ月遅れてインド生産が始まる流れが一般的でした。
しかし最近では、インドでも全モデルの組み立てが行われるようになっており、新製品立ち上げのタイミング差も以前より縮まっているとみられています。インドではAppleの委託先による生産体制が拡大し、全モデルを扱える段階に近づいています。
それでも新機軸モデルは中国主導が続く可能性
一方で、折りたたみiPhoneのような新機軸モデルについては、なお中国での開発・試作が中心になるとみられています。
製造移管が急拡大しない背景とは
中国からインドへの移管が進んでいないように見える背景については、インド側の需要不足や能力不足というよりも、生産設備、技術者、サプライヤー網の移行に時間がかかることが大きいと考えられています。
インドでは新たな製造支援策が検討されている一方で、現実として中国からの依存を一気に切り離すのは難しい状況です。
今後12カ月も大きな構図は変わりにくいか
インドの比率は今後も上昇する可能性がありますが、少なくとも今後1年程度で中国中心の体制が大きく崩れるとは考えにくいとサプライチェーン関係者は予測しています。
Photo:Nikkei Asia via IT之家, AhMad 𝕏 Ansari(@Ahmadansari2233)/X

