iPhone17シリーズでBOEのシェア増加〜CSOTもOLED受注目指し活動

iPhone17 Pro向け低温多結晶酸化物(LTPO:Low Temperature Polycrystalline Oxide)-OLEDディスプレイを受注したことで、iPhone向けOLEDディスプレイにおける中国BOEのシェアが22.7%に増加した可能性が高いとUBI Researchが報告しています。
BOEに続き、中国TCL CSOT(TCL China Star Optoelectronics Technology:TCL華星光電技術有限公司)もApple製品向けOLEDディスプレイの受注を目指して継続的に活動している模様です。
BOEのシェアが3年前の14%から22.7%に増加
iPhone向けOLEDディスプレイのサプライヤー別シェアでBOEは、3年前の14%から2025年第2四半期(4月〜6月)の実績ベースでは22.7%に増加したようです。
このシェア増加には、BOEがOLEDディスプレイの主要サプライヤーとなっているiPhone16eの販売が好調であることに加え、iPhone Proシリーズ向けとして初受注となったiPhone17 Pro向けLTPO-OLEDディスプレイによる供給数の増加が貢献している模様です。
iPhone向けOLEDにおいてLG Displayのシェア低下
iPhone向けディスプレイにおけるBOEのシェア増加に伴い、Samsung DisplayとLG Displayのシェアが減少しています。
Samsung Displayは2022年におよそ70%のシェアを獲得していたのが、2025年第2四半期(4月〜6月)に56%、通年では50%に低下すると予測されています。
それ以上に深刻なのがLG Displayで、以前から危惧されていたようにBOEにシェア率で抜かれ、20%程度に留まっているようです。
TCL CSOTがBOEに続きOLEDディスプレイ供給目指す
中国のディスプレイサプライヤーでは、BOEに続きTCL CSOTがiPhoneを中心としたApple製品向けOLEDディスプレイの供給を目指して交渉していることが、以前から報告されています。
TCL CSOTはJOLEDのインクジェット印刷方式OLEDディスプレイ製造装置を買収するなど、従来のマスク蒸着方式よりも設備投資額が安く済むインクジェット印刷方式OLEDディスプレイによるシェア拡大を目指して投資額を増やしているとみられています。
業界関係者は、Appleが韓国のOLEDディスプレイサプライヤーに対する価格交渉を有利に進めるために、今後も中国のOLEDディスプレイサプライヤーからの調達数を増やすと予測しています。
Apple製品では今後、MacBook ProやiPad miniおよびiPad AirがOLEDディスプレイに切り替えると噂されていますので、いずれかのタイミングでTCL CSOTがAppleからOLEDディスプレイを受注する可能性があります。
Photo:Apple Club(@appleclubs)/X